パンチョ・ビラ:メキシコ革命の英雄を冠した甘美な一杯
パンチョ・ビラは、ショート
カクテルとして分類される、甘くフルーティーな味わいが魅力的な
カクテルです。その名前は、メキシコ革命で活躍した英雄、パンチョ・ビジャに由来しています。
この
カクテルの最大の特徴は、製法にあります。一般的な
カクテルと異なり、シェイキングに使用する
氷が非常に細かい「シェーブドアイス(削り
氷)」を使用する点です。これにより、材料は効率よく
冷却され、滑らかな口当たりが実現します。しかし、この細かい
氷は、通常の角
氷よりも早く溶けるため、完成した
カクテルはやや水っぽくなる傾向があります。これは、
氷が溶けた分だけ冷水が加わった状態と考えることもできるでしょう。
しかし、この水っぽさは決して欠点ではありません。むしろ、フルーティーな材料とのバランスが絶妙に取れ、爽快感を増す効果も持ち合わせていると言えるでしょう。
パンチョ・ビラの材料とレシピ
パンチョ・ビラを作る際には、以下の材料を準備します。分量は、それぞれの材料の個性を際立たせるため、非常に繊細なバランスで調整されています。
ラム:1単位
ドライジン:1単位
アプリコットブランデー:1単位
チェリーブランデー:1ティースプーン
*
パイナップルジュース:1ティースプーン
これらの材料を、シェーブドアイスを入れたシェーカーでよくシェイクします。シェイキングの際は、
氷と材料が十分に混ざり合うように、力強く、かつ滑らかに振ることを心がけましょう。
シェイクが終わったら、120ml程度の大型
カクテルグラスに注ぎます。グラスの形状は、
カクテルの量と見た目にも影響を与えるため、大型の
カクテルグラスが推奨されています。しかし、ソーサー型のシャンパングラスでも代用可能です。
シェーブドアイスとクラッシュドアイスの違い
レシピではシェーブドアイスを使用していますが、クラッシュドアイス(砕
氷)を使用することも可能です。どちらの
氷を使用するかは、好みの問題ですが、シェーブドアイスの方がより滑らかな口当たりになると言われています。
パンチョ・ビラの魅力
パンチョ・ビラは、その独特の製法と、甘くフルーティーな味わいが絶妙に調和した、魅力的な
カクテルです。メキシコ革命の英雄にちなんだ名前も、歴史好きにはたまらないポイントでしょう。
カクテルを嗜む機会があれば、ぜひ一度、このパンチョ・ビラを味わってみてください。その独特の味わいと、歴史を感じさせる名前が、あなたを魅了すること間違いありません。
参考資料
稲 保幸 『
カクテル・レシピ1000』 日東書院 2005年7月10日発行 ISBN 4-528-01412-2