パートナーズ

映画『パートナーズ』の概要

『パートナーズ』は、2010年11月6日に公開された日本の映画であり、キャッチコピーは「あなたは知っていましたか?盲導犬には3つの出会いと別れがあることを･･･。」です。この作品は、劇団東俳が主導する社会福祉プロジェクトの一環として制作され、日本盲導犬協会の協力を得て、盲導犬の重要性を広めることを目的にしています。

制作背景

劇団東俳の「つくしんぼクラブ」は、福祉施設への慰問活動を行っており、その第一弾として本作が企画されました。盲導犬の存在を多くの人に知ってもらうため、所属子役たちが街頭募金に参加してきた経験がこの映画制作の背景にあります。このプロジェクトの第二弾として、その数ヶ月後にテレビドラマ「ひとりじゃない」も制作され、同じキャストやスタッフが参加しています。

ストーリー概要

物語は19歳の小山内剛を中心に展開します。彼は冷凍倉庫でフリーターとして働いていたが、同僚の自殺をきっかけに、ライフスタイルを変える決意をします。彼は学費がかからない盲導犬訓練士学校に入学し、訓練士になる道を歩みます。しかし、この学校を修了した多くの人々が実際に訓練士として働き続けない現実に直面します。

一方、長谷川家は家庭内の問題を抱えています。母親と娘の美羽は、飼う必要がないとの理由で盲導犬のパピーウォーカーに応募し、子犬を育てることになります。美羽が名付けたラブラドール・レトリバーの子犬、「チエ」は、愛情いっぱいに育てられますが、訓練センターへの引き渡しを控えた美羽は手放したくないと懇願します。この愛情が物語の重要な要素となります。

剛は、訓練士学校で学んだ知識をもとにチエの訓練を始めますが、犬との絆を築くことに苦労します。彼は美羽との出会いを通じて、ただ技術を学ぶだけでなく、深い人間関係の大切さを忘れていたことに気づかされます。彼の成長と苦悩は、同時に真琴という盲目のロックシンガーとの出会いを引き金に、物語が展開していきます。

出演者・スタッフ

映画には、主役の小山内剛を演じる浅利陽介を始め、ロックシンガーの真琴を演じる大塚ちひろ、そして多数の俳優陣が参加しています。製作は劇団東俳つくしんぼクラブが行い、スタッフには監督の下村優、脚本の荒井晴彦および井上淳一、音楽の根岸貴幸などが名を連ねています。

配慮と工夫

本作は文部科学省に選定された劇映画で、視覚障碍者も楽しめるよう工夫が凝らされています。東京のヒューマントラストシネマ有楽町やキネカ大森などでは副音声付きの上映が実施され、障害者手帳の提示によって割引制度も設けられています。

公開初日と舞台挨拶

公開初日には、浅利陽介や大塚ちひろ、下村優監督と盲導犬が参加した舞台挨拶が行われ、多くの観客に感動を与えました。

『パートナーズ』は、盲導犬を通じて人と人との絆が描かれた感動的な作品であり、多くの人に見てほしい映画です。

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