パーナル パンサー

パーナル パンサー（Parnall Panther）

パーナル パンサーは、第一次世界大戦の末期にイギリスのパーナル社によって開発された艦上観測機兼偵察機です。この機体は、海軍の要件に基づいて設計され、最初の試作機が1917年に完成しました。その後、合計で6機の試作機が製造されました。戦争が終結する直前に開発が進められたため、パンサーは第一次世界大戦後も約150機がブリストル社によって生産され、1926年まで運用され続けました。

設計と構造

この機体は、木製のモノコック構造を採用しており、特に艦船での収納を考慮した設計になっています。胴体は折り曲げることができるため、狭いスペースでも収容が可能です。操縦席は高い位置に配置されており、着艦時には優れた視界を確保できますが、コクピットへの出入りは少々不便でした。また、胴体下部に設けられたエアバッグは、着水時に沈むことを防ぐ役割を果たしていました。

生産と運用

1918年には試験評価が終わり、当初300機の発注が決まりましたが、最終的には150機に縮小されました。この変更に対しパーナル社は不満を示し、結果的に発注はブリストル社に移され、1919年から1920年にかけて生産が行われました。パンサーは、空母アーガスやハーミーズでの運用が行われ、艦載機としての役割を果たしました。

性能と課題

パーナル パンサーは空中での操縦性に優れていましたが、搭載されていたベントレーエンジンは信頼性が低く、加えて、空母の着艦方式も十分とは言えず、多くの事故が発生しました。このため、パンサーは1926年にフェアリー IIIDに取って代わられる形で運用終了を迎えました。

国際的な取引

パーナル パンサーはイギリス国内だけではなく、国際的にも取引されました。1921年からは12機が日本海軍に販売され、アメリカ海軍にも2機が1920年に売却されています。これにより、パンサーはその存在を国際的にも知らしめることとなりました。

総じて、パーナル パンサーはその独自の設計と運用方式において、航空機産業における貴重な一歩を踏み出した機体と言えるでしょう。

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