ヒナギク

ヒナギク（デージー）

ヒナギク（学名：Bellis perennis）は、キク科の多年草で、かわいらしい姿が特徴的な植物です。別名として、デージー、デイジー、チョウメイギク（長命菊）、エンメイギク（延命菊）などがあります。園芸植物として広く栽培され、その愛らしい花は多くの人々に親しまれています。また、ヒナギクはイタリアの国花としても知られています。

分布

ヒナギクの原産地はヨーロッパです。原種は芝生の雑草として扱われることもありますが、北アメリカ、アジア、オーストラリアなど、世界各地に外来種として帰化しています。日本には明治時代の初期に渡来し、北海道などの冷涼な地域を中心に定着しました。

特徴

ヒナギクは多年草ですが、日本の夏の暑さに弱いため、一年草として扱われることが一般的です。ただし、寒冷地であれば越夏も可能で、株分けによって繁殖させることもできます。開花期は春で、平弁咲きや管弁咲きなど、様々な種類の花を咲かせます。

草丈は10cmから20cm程度で、根生葉（ロゼット）は長さ5cm程度のへら形で、鋸歯があり、薄く毛が生えています。市販のヒナギクは11月頃から店頭に並びますが、露地で栽培した場合は3月から5月に開花します。花の大きさは、直径2cm程度の小輪多花性種から、10cm近い大輪種まで様々です。花びらは半八重または八重咲きで、舌状花は平弁のものと管弁のものがあります。花の色は赤、白、ピンクなどがあり、黄色い管状花とのコントラストが美しいです。

栽培

ヒナギクは種から育てることができます。種苗会社のカタログは5月末頃に出回るので、早めに注文すると7月初めには種が届きます。種はすぐに冷蔵庫に入れ、お盆の頃に種まきをすると、年内に開花させることができます。種は非常に細かいので、浅鉢に蒔き、覆土はせずに、受け皿から吸水させると良いでしょう。

名前にデージーが付く植物

ヒナギクと名前が似ている植物がいくつか存在するため、注意が必要です。また、ヒナギクのことをコモンデージーと呼ぶこともあります。

グロリオサデージー（Rudbeckia hirta）
ブルーデージー（Felicia amelloides）
ユリオプスデージー（Euryops pectinatus）
シャスタ・デイジー（Chrysanthemum × burbankii）
リビングストンデージー（Dorotheanthus bellidiformis）
カリフォルニア・デイジー（Layia platyglossa）

これらの植物は、ヒナギクとは異なる種類ですので、混同しないようにしましょう。

ヒナギクは、その愛らしい姿で庭や花壇を彩り、春の訪れを感じさせてくれる植物です。ぜひ、栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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