ヒンクリー・ポイント原子力発電所

ヒンクリー・ポイント原子力発電所

ヒンクリー・ポイント原子力発電所は、イギリスのサマセット州ブリッジウォーターにある重要な原子力発電所です。この施設はブリストル海峡に面しており、パレット川の河口から西に約8キロメートルの位置に位置しています。発電所はヒンクリー・ポイントA、B、Cに分かれており、AとBは運用を終了し、現在Cの建設が進められています。

ヒンクリー・ポイントA原子力発電所

ヒンクリー・ポイントAは、この地域に最初に建設された原子力発電所であり、1965年から運用を開始しました。この発電所はマグノックス炉を2基搭載し、一時は500MWeの発電能力が見込まれていましたが、腐食等の問題から221MWeに制限されました。

建設は1957年に始まり、イングリッシュ・エレクトリックなどのコンソーシアムが手がけました。原子炉は天然ウラン燃料を用い、黒鉛減速材を組み合わせた構造です。ガス循環装置によって炉心を冷却し、高温のCO2を利用しましたが、腐食問題が発生し、設計変更が必要になるなど課題を抱えました。

1999年には両方の原子炉が停止し、その後2005年に正式に運用停止が発表され、ヒンクリー・ポイントAは35年間にわたり101TWhの電力を供給しました。

ヒンクリー・ポイントB原子力発電所

ヒンクリー・ポイントBは、1976年から2022年まで運用されていた改良型ガス冷却炉を使用した発電所です。建設にはTNPGというコンソーシアムが関与し、完成までいくつかの問題が発生しました。特に、コンクリート製の圧力容器の断熱に関した問題があり、発電が遅れる要因となりました。

運用中には設計変更や補強工事が行われ、2006年には微小欠陥が見つかり一時停止するなどの問題がありました。定期的なメンテナンスと検査を経た後、2022年に運転を終了しました。

ヒンクリー・ポイントC原子力発電所の建設

ヒンクリー・ポイントCの建設計画は、イギリス政府が新たな原発建設へのゴーサインを出した2008年にスタートしました。EDFが原子力発電所のライセンスを申請し、国土計画委員会の承認を待っています。この新施設は、2基の欧州加圧水型炉を予定しており、出力は1,600MWeとされています。

しかし、ヒンクリー・ポイントの新たな開発には抗議活動も多く、反核グループが発電所の拡張に反対する活動をしています。特に、核廃棄物の処理問題に対する懸念が強く、地元住民や環境保護団体との対立が続いています。これらの問題は、発電所の運営と拡張において複雑な状況を生んでいます。

結論

ヒンクリー・ポイント原子力発電所は、イギリスのエネルギー政策において重要な役割を果たしてきました。運用が終了した施設と建設中の新施設が共存するこの場所は、今後のエネルギー供給や環境問題に関して注目され続けるでしょう。

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