ビクトル・フォン・ゲルデンハイム

ビクトル・フォン・ゲルデンハイムは、カプコンの2D対戦型格闘ゲーム『ヴァンパイア』シリーズに登場する、異形の姿をした人造人間です。

キャラクター設定

ビクトルは、ゲルデンハイム博士という科学者が、自らの手で生命を創造するという禁断の研究の末に生み出した存在です。博士は30年もの間、研究に没頭し、人との交流を絶っていました。ある嵐の夜、研究室に雷が落ち、そのエネルギーによってビクトルは起動します。しかし、その雷は同時に博士の命も奪ってしまいます。

父親である博士の死を理解できないビクトルは、父に自分の力を認めさせたいという、無邪気で純粋な欲求のために戦いの旅に出ます。彼はダークストーカーズとの戦いを経て最強の存在となりますが、すでに亡骸となった博士は彼に応えることはありません。その後、博士の娘と名乗る少女エミリーが現れ、ビクトルは彼女と幸せに暮らしますが、エミリーもまた博士によって造られた人造人間であることが判明します。

エミリーの再起動を試みるも叶わず、ビクトルはジェダの囁きを聞き、「魂の収集＝生命の再生」という考えから魔次元へと向かいます。ジェダを倒すもエミリーは蘇らず、彼は自らの電気エネルギーを全て放出して彼女を再起動させ、自身は機能を停止するという悲劇的な結末を迎えます。しかし、エミリーの傍らに横たわるビクトルの表情は穏やかだったとされています。

筋肉質な体には縫い合わせた傷跡が残り、側頭部には大きなボルトが取り付けられています。金髪のパイナップルのような髪型も特徴的です。服装は右袖のないジャケットに茶色のズボン、指なしグローブというスタイル。知性に乏しく、たどたどしい言葉遣いをしますが、性格は温厚です。勝利メッセージは全て平仮名で表記されます。

ゲルデンハイム博士とエミリー

ゲルデンハイム博士は、ビクトルとエミリーの生みの親であり、本来「ビクトル・フォン・ゲルデンハイム」とは博士自身の名前です。彼は墓を荒らし、時には殺人を犯してまでビクトルのパーツを集めていたマッドサイエンティストです。

エミリーは博士の娘と名乗る少女ですが、実際にはビクトルのプロトタイプとして作られた人造人間です。外見は普通の少女と変わりませんが、自身が人造人間であるという自覚はありませんでした。

ゲーム上の特徴

ビクトルは人造人間としての特性を活かし、体の一部を巨大化させて攻撃したり、動力源である電気を利用した技を繰り出します。溜めキャラであり、動作が緩慢、食らい判定が大きいといった弱点もありますが、前方ダッシュの実装や電撃攻撃の強化によって、『セイヴァー』では上位キャラクターとも互角に渡り合える性能となりました。強力な投げ技「メガスパイク」は、全キャラクター中でもトップクラスの威力を誇ります。

技の解説

ビクトルの技は、電撃を帯びた攻撃や、体の一部を巨大化させるものが多く、その異様な外見と相まって、独特の戦闘スタイルを確立しています。

電撃闘気: 特定の通常攻撃時にボタンを押し続けることで、手足の先端から放電し、攻撃範囲を広げます。感電効果やガード削り効果もあります。
ギガバーン: 斜め上に向かって飛び膝蹴りを放ちます。発生が早く、ガードキャンセルにも対応した高性能な技です。
ギガハンマー: 電気を帯びたボディーブローを放ちながら前進します。
メガフォーリッド: 頭を巨大化させてヘッドバットを繰り出します。
メガスパイク: 相手を空高く打ち上げ、叩きつける強力な投げ技です。
ゲルデンハイム3: 電気の博士とエミリーが現れ、電撃を浴びせるコマンド投げです。

ビクトルはその特異な設定と外見、そして悲劇的な物語によって、多くのファンを魅了し続けているキャラクターです。

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