悠木碧「ビジュメニア」:初のシングルに込められた世界観
「ビジュメニア」は、声優・
悠木碧が
2014年1月29日にFlyingDogからリリースした初の
シングルである。
作詞は
藤林聖子、
作曲はbermei.inazawaが手掛け、
テレビアニメ『
世界征服〜謀略のズヴィズダー〜』のエンディングテーマとして起用された。
制作背景:作品と個性の融合
悠木碧は、以前からbermei.inazawaの音楽性に共感を抱いており、1stアルバム『プティパ』で自身のイメージを具現化してくれたことがきっかけで、今作の
作曲を依頼したという。
楽曲制作にあたっては、アニメの世界観を尊重しつつ、悠木自身の個性をどのように融合させるかが課題となった。アニメのイメージが強すぎると、自身のカラーが失われてしまうため、試行錯誤を重ねた結果、アニメの世界観に寄せた内容に、命令口調や作品タイトルの一部を取り入れた魔法の言葉的なフレーズを盛り込むことで、バランスを取ることに成功した。
タイトルの「ビジュメニア」は、当初既存のワードを予定していたが、悠木のリクエストにより、
フランス語で宝石を意味する「ビジュ」と「マニア」を組み合わせた造語に変更された。この造語には、楽曲の世界観をより深く表現したいという悠木の想いが込められている。
PV・ジャケット・衣装:白で統一されたビジュアル
「ビジュメニア」のPV、ジャケット、衣装は、これまでのアルバム『プティパ』や『メリバ』のカラフルなイメージとは対照的に、白で統一されている。この白という色には、様々な意味が込められている。
まず、歌詞の主人公である白の女王が好きなものを万華鏡に集約した内容であることから、白が基調とされた。また、悠木自身のサイリウムカラーを強調する狙いもあった。さらに、白く染まりすぎた怖い印象を与えることで、聴き手に様々な解釈を促す効果も期待された。色を抜いた状態は様々な解釈が可能である。
衣装は
胸の谷間を強調する露出度の高いものになっており、「
ANIMAX MUSIX 2013」に出演した際「谷間ックスMUSIX」と呼ばれるなど話題を呼んだ。これは白の女王をモチーフとしており、露出度の高い衣装の方がコンセプトである「生き物なんだけど生き物じゃない」というイメージに近づくと考えたため採用された。
シングルリリース:カップリング曲と特典
シングルはDVD付限定盤と通常盤の2形態でリリースされた。限定盤には、「ビジュメニア」のPVとメイキング映像を収録したDVDが同梱されている。
カップリング曲の「くちひげ泡バルーン」は、iOSアプリ『モンハン いつでもアイルーライフ』のテーマソングに起用された。表題曲がやや難解な内容であったため、猫をモチーフとしたかわいくてハッピーな楽曲にしようと考えられた。さらに、5曲目には歌詞がすべて猫語になっている「お出かけVer.」が収録されており、悠木は同バージョンについて「世の中のいろんなつらいことがバカらしくなってくる。」とコメントしている。
DVDに収録されているメイキング映像では、悠木が大好きな魔法少女について熱く語るシーンがあり、その熱意に感銘を受けたスタッフが、悠木のために専用のステッキを制作したというエピソードも紹介されている。
1. ビジュメニア
2. くちひげ泡バルーン
3. ビジュメニア (Instrumental)
4. くちひげ泡バルーン (Instrumental)
5. くちひげ泡バルーン(お出かけVer.)
「ビジュメニア」は、
悠木碧の新たな一面を Music Videoと 楽曲の両方から感じることができる作品であり、彼女の表現力の幅広さを示す一枚と言えるだろう。
出典
声優グランプリ 2014年2月号
アニカンVol.131(
2014年2月号)