ビッカース ビミー

ビッカース ビミー（Vickers Vimy）は、第一次世界大戦中にイギリスのビッカース社によって製造された重爆撃機です。設計はR.K. Piersonが担当し、1917年11月に初飛行を遂げました。しかし、実戦に参加する前に戦争が終結したため、製造はキャンセルされ、爆撃機として完成したのはわずか3機にとどまりました。

戦後、ビミーはその高いポテンシャルを活かして、様々な用途に転用されました。イギリス空軍では1919年から1925年まで運用され、その後ビッカース・バージニアにその役割を引き継ぎました。また、民間向けには、乗客10名までを収容できる大型胴体を持つビミー・コマーシャル（Vimy Commercial）が開発され、主に海外で活躍しました。さらに、ほぼ同様の設計で軍用輸送機型のバーノン（Vernon）も製造されました。コマーシャルとバーノンは、爆撃機型と胴体以外はほぼ同じ構造でしたが、コマーシャルには爆撃機型にはなかった機首車輪が追加されていました（バーノンについては未確認）。

ビミーは、世界初の記録飛行に多数使用されたことでも知られています。特に有名なのは、ジョン・オールコックとアーサー・ブラウンによる無着陸大西洋横断飛行や、ロス・スミスとキース・スミス兄弟によるイギリスからオーストラリアへの初飛行、そしてvan Rynevaldとブランドによるイギリスから南アフリカへの初飛行です。これらの偉業により、ビミーは航空史における重要な航空機としての地位を確立しました。

スペック

乗員：
爆撃機型：3名
コマーシャル：2名
バーノン：2名
全長：13.27 m (43 ft 6.5 in)
全幅：20.75 m (68 ft 1 in)
全高：4.76 m (15 ft 7.5 in)
初期（空虚重量）：3,222 kg (7,104 lb)
全備重量：4,937 kg (10,884 lb)
動力：ロールスロイス イーグルVIII エンジン × 2
出力：360 hp (270 kW) × 2
翼面荷重：未公表

性能

最高速度：165 km/h (103 mph)
航続距離：1,448 km (900 miles)
上昇限度：2,135 m (7,000 ft)
上昇率：未公表

武装

7.7 mm (0.303 in) ルイス機関銃（前方と中座）
爆弾搭載量：1,123 kg (2,476 lb)

外部リンク

* Vickers Vimy, www.rafmuseum.org.uk (英語)

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