ビッグ・シティ・ナイツ

ビッグ・シティ・ナイツ (Big City Nights)

概要

ドイツを代表するヘヴィメタルバンド、スコーピオンズが手がけた楽曲、「ビッグ・シティ・ナイツ（Big City Nights）」。この曲は、彼らが1984年にリリースし、世界的な成功を収めたアルバム『禁断の刺青（Love at First Sting）』に収録されています。バンドの主要ソングライターであるギタリストのルドルフ・シェンカーとヴォーカリストのクラウス・マイネによって共に創作された楽曲であり、その力強いサウンドと記憶に残るメロディは、発表以来、多くのファンの心をつかみ、スコーピオンズのライブにおいても欠かせない定番曲の一つとなっています。

オリジナルリリース詳細

「ビッグ・シティ・ナイツ」は、1984年に世に送り出された傑作アルバム『禁断の刺青（Love at First Sting）』の6曲目として収録されました。このアルバムは、スコーピオンズの歴史において非常に重要な位置を占める作品であり、「ビッグ・シティ・ナイツ」もその成功に大きく貢献しています。アルバムリリースと同年の1984年には、アルバムからの3番目のシングルカットとしても発表されました。シングルのカップリング曲（B面）には、同じく『禁断の刺青』に収められている楽曲「バッド・ボーイズ・ランニング・ワイルド（Bad Boys Running Wild）」が選ばれています。楽曲の中で聴かれるダイナミックなギターソロは、共同作曲者であるルドルフ・シェンカー本人が演奏を担当しており、曲全体のエネルギーと緊張感を高める重要な要素となっています。

他のバージョン

「ビッグ・シティ・ナイツ」は、オリジナル音源の他に、異なるアレンジや録音によって複数のバージョンが存在します。

オーケストラ共演バージョン

2000年に発表されたスペシャルアルバム『栄光の蠍団〜モーメント・オブ・グローリー（Moment of Glory）』には、この楽曲のオーケストラバージョンが収録されています。このアルバムは、スコーピオンズがドイツが誇る世界的オーケストラ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と共演した画期的なプロジェクトでした。オーケストラバージョンでは、バンドのクラウス・マイネに加えて、イギリスのプログレッシブ・ロックバンド、ジェネシス（Genesis）の元フロントマンであるレイ・ウイルソン（Ray Wilson）がゲストヴォーカルとして参加しています。ヘヴィメタルとクラシックという異なるジャンルが見事に融合し、原曲の持つ力強さはそのままに、オーケストラならではの荘厳さと深みが加わった、全く新しい解釈が試みられています。レイ・ウイルソンの歌声も、楽曲に新たな彩りを加えています。

『カムブラック』への再収録

2011年にリリースされた企画盤アルバム『カムブラック（Comeblack）』の日本盤にも、「ビッグ・シティ・ナイツ」は新たなスタジオレコーディングバージョンとして再収録されています。このアルバムは、バンドが自身の代表曲や、彼らに影響を与えた往年の名曲をセルフカバーした作品であり、過去と現在を結ぶ試みとして制作されました。この再録バージョンでは、当時のバンドの演奏スタイルやレコーディング技術が反映されており、オリジナルの持つ勢いや魅力を損なうことなく、現代的なサウンドで楽曲がアップデートされています。特に日本盤のみのボーナストラックとして収録されたことは、日本のファンにとって非常に喜ばしいニュースとなりました。

カバーアーティスト

「ビッグ・シティ・ナイツ」は、オリジナルアーティストであるスコーピオンズだけでなく、他のミュージシャンにもカバーされています。

アメリカ合衆国出身のヘヴィメタルバンド、フォジー（Fozzy）は、2002年にリリースした彼らのセカンドアルバム『ハップンスタンス（Happenstance）』の中で、この楽曲をカバーしています。フォジーによるカバーバージョンは、彼ら自身の音楽性を通して「ビッグ・シティ・ナイツ」を再構築しており、原曲のハードな要素を尊重しつつも、フォジー独自のサウンドアレンジが施されています。このように様々なアーティストによってカバーされることは、楽曲「ビッグ・シティ・ナイツ」が持つ普遍的な魅力と、音楽シーンにおける影響力の大きさを証明しています。

まとめ

「ビッグ・シティ・ナイツ」は、スコーピオンズの輝かしいキャリアにおいて非常に重要なマイルストーンとなる楽曲です。1984年のアルバム『禁断の刺青』に収められ、世界的な成功の一翼を担いました。バンドの中心メンバーであるルドルフ・シェンカーとクラウス・マイネによって生み出され、ルドルフ・シェンカーによる印象的なギターソロが楽曲の個性を際立たせています。また、オーケストラとの共演や再録バージョン、さらには他のアーティストによるカバーなど、多岐にわたる形で展開されている事実は、この楽曲が時代を超えて愛され続けていること、そしてその持つ音楽的な魅力の深さを示しています。ヘヴィメタルというジャンルにおけるクラシックの一つとして、今後も長く聴き継がれていくことでしょう。

もう一度検索