ビルバイン

ビルバイン (Billbine)

ビルバインは、アニメ『聖戦士ダンバイン』に登場する架空の兵器で、特徴的なオーラバトラーとして知られています。この機体はナの国の技術者によって、既存のダンバインを基に新たに開発されました。

機体の特性とデザイン

ビルバインは、オーラ・マシンの中で唯一可変構造を持つオーラバトラーです。見た目は西洋の騎士のような人型形態から、猛禽類を彷彿とさせるウィング・キャリバー形態に変形します。この特徴により、高速での移動が可能となり、戦場に素早く展開することができます。また、ビルバインは地上界の技術が取り入れられており、その設計に地上人が関与しているとも言われています。ウィング・キャリバー形態では、他のオーラバトラーを背負って飛行することもでき、自動飛行機能を搭載しているため、操縦者が眠ってしまっても安全に移動できる点が大きな魅力です。

ただし、オーラ係数は0.99と低く、ビランビー以降の機体では最低の数値となっており、そのため操縦者に強いオーラ力が求められ、「聖戦士専用機」としての位置付けがされているのも特徴です。

ビルバインに設定された「適性オーラ力」は、その性能を最大限に引き出すために必要なオーラ力の数値を指すもので、操縦するショウ・ザマはナの国の女王からこの力を託されています。

武装と戦闘能力

ビルバインには様々な武装が搭載されています。主な武器としては、オーラ・ソード1本、大型のレール式オーラ・キャノン2門、そして前腕部には連装のワイヤー付ショット・クローが各1基ずつ装備されています。また、携行武器として連装オーラ・ショットと、オーラ力を利用したエネルギー刃を形成する新型のオーラ・ソード・ライフルも持ち合わせています。劇中の描写では、前腕部からバルカン砲のような武器を発射するシーンも見られますが、これは公式設定には含まれていません。

ビルバインは、反ドレイク陣営のオーラバトラーの中でも特に高い性能を誇りますが、最初の決戦では黒騎士が操縦するガラバとの一騎討ちに臨み、そこで右腕と左脚を失う苦境を迎えます。最終的に、上半身が大破し、シーラによる浄化の際に大爆発を起こし、ショウ・ザマと共に消滅してしまいます。

制作の背景

ビルバインのデザインは、キャラクターデザインを手がけた湖川友謙によって担当されました。初期案にはガウォーク形態への変形を含むデザインがあったものの、スポンサーの意向が大きく影響した結果、現在のデザインが採用されています。このデザインは、従来の生物的なイメージから逸れ、猛禽類と機械的な要素が融合したものとなっています。

「ビルバイン」という名称は、ストーリーにおいて主役機が構築されることを示す意図を込めており、先代の『戦闘メカ ザブングル』における機体交代の試みとも関連しています。制作に関わった富野由悠季監督は、ビルバインに対して不満を抱いており、その背景にはスポンサーの意向があったと語っています。

ゲームと評価

ビルバインは、ゲーム『聖戦士ダンバイン 聖戦士伝説』において量産型の「ゼルバイン」として登場し、基本的な性能はビルバインに近いものの、ウィング・キャリバーへの変形機能はありません。また、スーパーロボット大戦シリーズにも時々隠し機体として登場しています。

2021年には、ねとらぼが実施したアンケートでビルバインが「オーラバトラー人気ランキング」で第1位を獲得しました。これは時代を超えて愛されるキャラクターであることを示しています。

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