ビートたけしの全日本お笑い研究所

ビートたけし伝説のバラエティ番組：全日本お笑い研究所から再びたけしへ

1988年、日本テレビ系列で放送されたバラエティ番組『ビートたけしの全日本お笑い研究所』と、その続編『番組の途中ですが…再びたけしです』。ビートたけしを筆頭に、個性豊かな出演者と斬新な企画で話題を呼んだこの番組は、たけし軍団のメンバーや、数々の有名ゲストを迎え、笑いに溢れた約半年間の放送となりました。

フライデー事件後の復帰作

本番組は、前年に発生した「フライデー襲撃事件」後のたけしにとって初めてのレギュラー番組という重要な意味を持っていました。事件前の1986年には、特番として好評だった『ビートたけしの金太郎飴スペシャル』があり、それをレギュラー化しようという動きもありましたが、事件の影響で頓挫。その後、たけしの復帰を経て、1988年4月13日に『ビートたけしの全日本お笑い研究所』として放送が開始されました。しかし、当初の期待に反し視聴率は低迷、わずか2ヶ月で番組タイトルを『番組の途中ですが…再びたけしです』に変更して再スタートするも、同年9月には番組は終了することとなりました。

個性豊かな出演者と笑いの数々

番組には、ビートたけし、ビートきよし、吉田美江、かわいさとみといったおなじみのメンバーに加え、たけし軍団、石倉三郎、もたいまさこ、濱田万葉など多彩な顔ぶれが出演。そのまんま東（東国原英夫）は、コーナー紹介役として番組を盛り上げました。林家ペーもたけしに見出され、この番組をきっかけにテレビ出演が増えたと言われています。

人気コーナー：南野くん、北野さん一家のクイズ、そして漫才

番組を彩った数々のコーナーの中でも特に人気だったのが、「南野くん」と「北野さん一家のクイズ日記」です。「南野くん」は、いたずらを受けたゲストがたけしを追いかける、ドタバタのコント。一方、「北野さん一家のクイズ日記」は、既存のクイズ番組をパロディした素人参加型コーナーで、たけしの家族とビートきよしの家族が対戦するというユニークな設定でした。パロディの対象は『クイズ100人に聞きました』、『クイズダービー』など、当時人気だったクイズ番組が多数。番組終盤にはくす玉を割る演出もありました。北野家が番組をめちゃくちゃにする展開が話題となり、自粛措置がとられたエピソードも存在します。

さらに、ビートたけしとビートきよしによる漫才コーナー「たけしよ、もう一度コンビを組んでやろうや」も話題となりました。当時、ツービートとしての活動が少なかったため、このコーナーは大きな注目を集めました。そのほかにも、そのまんま東が進行役を務めたトークコーナー「たけしのいない部屋」や、毎回用意された「ファイナルコント」など、バラエティに富んだ企画が放送されました。

制作陣

番組の企画は北野武自身が行い、構成には豊村剛、宮沢章夫、ダンカン、前田昌平らが参加。演出はテリー伊藤（当時IVSテレビ制作）をはじめとしたベテランスタッフが担当しました。日本テレビ、IVSテレビ制作の共同制作による、まさに豪華な制作陣が番組を支えていました。

まとめ

『ビートたけしの全日本お笑い研究所』と『番組の途中ですが…再びたけしです』は、たけしの復帰作というだけでなく、多くの視聴者にとって忘れられないバラエティ番組となりました。その独特のユーモアと個性的で魅力的な出演者、そして斬新な企画の数々は、今でも語り継がれています。番組は短命に終わったものの、そのインパクトは非常に大きく、日本のテレビ史に名を刻む番組と言えるでしょう。

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