ビール・ストリートの恋人たち

映画『ビール・ストリートの恋人たち』

『ビール・ストリートの恋人たち』（原題：If Beale Street Could Talk）は、2018年に公開されたアメリカのドラマ映画で、ジェームズ・ボールドウィンの小説『ビール・ストリートに口あらば』を原作としています。監督を務めたのは、前作『ムーンライト』で高く評価されたバリー・ジェンキンス。主演にはキキ・レインとステファン・ジェームスが起用され、彼らを取り巻く豪華なキャストたちが物語を彩ります。

あらすじ

物語は、19歳の少女クレメンタイン・“ティッシュ”・リヴァーズと、その婚約者である22歳のアロンゾ・“ファニー”・ハントの幸福な日々から始まります。しかし、その平穏な生活は、ファニーが無実のレイプ容疑で逮捕されたことで一変します。事実無根の罪で投獄されるファニー。これを受けて、妊娠していることが分かったティッシュは、赤ん坊のためにもファニーの無実を証明しなければならないという重責を担います。

ティッシュは、自身の家族や弁護士とともに、投獄されたファニーの無実を証明するための証拠を探し続けます。彼女の運命は、無実を訴えることと、新しい命を育むこととの狭間で揺れ動いていきます。先の見えない苦難に直面しながらも、愛し合う二人の未来への希望を絶やさない姿が感動的に描かれています。

キャスト

映画のキャストには、次世代のスターたちが名を連ねています。ティッシュ役のキキ・レインと、ファニー役のステファン・ジェームスに加えて、レジーナ・キングがティッシュの母親、アーネスティン役を演じ、その演技力が高く評価されています。他にも、コールマン・ドミンゴやデイヴ・フランコなど、実力派がキャストに名を連ねており、各キャラクターが物語に深みを与えています。

制作背景

『ビール・ストリートの恋人たち』は、2017年7月に監督バリー・ジェンキンスによる映画化が発表され、同年8月からキャストが加わり、10月にはニューヨークで撮影が始まりました。劇伴は、再びニコラス・ブリテルが手掛けており、音楽は映画の情感をさらに高めています。

公開と受賞歴

映画は2018年9月9日にトロント国際映画祭で初上映され、その後11月30日にアメリカで正式に公開されました。公開後、この作品は多くの映画賞にノミネートされ、特にレジーナ・キングはアカデミー助演女優賞を受賞し、同時に多くの名誉を獲得しました。208の授与候補にノミネートされ、その中から85の賞を受賞した実績は、本作の完成度を物語っています。

『ビール・ストリートの恋人たち』は、愛と不正義、そして希望に満ちたメッセージが詰まった作品であり、観る者に深い感動を与えること間違いありません。

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