ピアノ (河村隆一のアルバム)

河村隆一のバラード名作集『ピアノ』：大人のための抒情詩

2009年4月1日、コロムビアミュージックエンタテインメントより河村隆一5枚目のオリジナルアルバム『ピアノ』がリリースされました。本作の最大の特徴は、そのコンセプトである「大人のバラード」にあります。

全編を通して、しっとりと心に響くバラードが展開され、聴く者の心を穏やかに癒やす、そんな作品に仕上がっています。河村隆一自身の作詞・作曲による楽曲はもちろんのこと、数々のヒット曲を世に送り出してきた豪華な作家陣が参加していることも大きな魅力です。

特に注目すべきは、数曲でタッグを組んだ作曲家・編曲家の葉山拓亮氏と作詞家の森雪之丞氏。葉山氏の繊細な編曲と、森氏の詩情豊かな歌詞が、河村隆一の歌声と見事に調和し、楽曲に深みを与えています。代表的な楽曲として挙げられるのは、『それを愛と呼ぼうか』や『色彩絶佳』など。これらの楽曲は、アルバム全体の世界観を象徴するような、美しく切ないメロディーと歌詞が印象的です。

また、日本の音楽シーンを代表する作曲家、織田哲郎氏が作曲・編曲を手掛けた『ヒロイン(album mix)』も収録されています。織田哲郎氏独特のメロディーセンスが光る、聴き応えのある一曲です。

さらに、編曲家として山口一久氏、小泉信彦氏も参加。それぞれの編曲家の個性豊かなアレンジが、楽曲の表情を豊かに彩っています。

『ピアノ』は、バラードを愛するリスナーにとって、まさに必聴のアルバムと言えるでしょう。河村隆一の歌声と、豪華作家陣による楽曲、そして洗練されたアレンジが三位一体となり、聴く者の心に深く刻まれる、珠玉のバラード集がここに完成されています。

各楽曲は、それぞれ異なる情景や感情を呼び起こし、アルバム全体を通して、まるで一つの物語を聴いているかのような感覚を覚えます。静寂の中に潜む強さ、そして繊細な感情の揺らぎ。それらが、河村隆一の歌声によって丁寧に表現され、リスナーの心に深く訴えかけてきます。

楽曲リストを改めて見てみると、そのバラエティの豊かさにも驚かされます。河村隆一自身の感性が色濃く反映された楽曲群は、彼の音楽的才能を改めて感じさせてくれます。

『ピアノ』は、単なるバラード集ではなく、河村隆一の音楽家としての成熟と、彼の表現力の高さを示す、極めて重要な作品と言えるでしょう。

もしあなたが、心に響くバラードを求めているなら、このアルバムは間違いなくあなたの期待を上回るでしょう。美しい旋律と、心に染み渡る歌声に、きっとあなたは魅了されるはずです。

[収録曲]

ヒロイン(album mix) (作曲・編曲：織田哲郎)
もうすぐ逢えるから (編曲：山口一久)
それを愛と呼ぼうか (作詞：森雪之丞、編曲：葉山拓亮)
色彩絶佳 (作詞：森雪之丞、編曲：葉山拓亮)
朝顔 (作詞・編曲：葉山拓亮)
根付けの鈴 (編曲：葉山拓亮)
冷たい雨 (作曲・編曲：葉山拓亮)
潮騒 (編曲：葉山拓亮)
夢のカケラ (編曲：山口一久)
柘植の櫛 (編曲：山口一久)
北へ (編曲：小泉信彦)
月はもちろん (編曲：小泉信彦)

[関連事項]

* Tourbillon

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