ピエール＝アンリ・ドリー

ピエール＝アンリ・ドリーの生涯と殉教

ピエール＝アンリ・ドリー（1839年9月23日-1866年3月8日）は、フランスのカトリック司祭であり、著名な宣教師であり、韓国の103人の殉教者の一人として知られています。彼は1968年に教皇パウロ6世によって列福され、1984年にはソウルで教皇ヨハネ・パウロ2世によって列聖されました。これはローマ以外で行われた初めての列聖でもあり、記念日は3月8日に定められています。

早年期と教育

ドリーはフランスのヴァンデ県タルモン＝サンティレールで、耕作者ピエール・ドリーとジュヌヴィエーヴ・ビニョノーの子として生まれました。彼は7人の兄弟姉妹を持つ大きな家庭で育ちました。10歳のとき、彼は小神学校への入学を志願し、以降の教育をリュソンの大神学校で受けました。1864年には司祭に叙階され、宣教活動を志す道を歩むことになります。

宣教活動と朝鮮への赴任

1864年、ドリーは満州へ向かう宣教師として指定され、他の神父たちと共に旅を始めました。エジプトを経て東洋へ向かい、最終的に1864年10月28日には満州のイン・ツェに到着しました。ここで彼は、キリスト教徒が多い小さな村での生活を始め、村人たちとの深い交わりを築くことができました。

秘密裏に韓国への上陸を計画し、彼とその仲間は現地の衣装で顔を隠したままソウルに到着しました。都市の狭い通りに沿った泥小屋での生活は厳しく、ドリーは慎重に行動しながら、信仰を守り続けました。彼の両親への手紙には、韓国の人々との間に感じる愛と希望が満ちていました。

迫害と殉教

1866年、ロシアの脅威を受けて韓国政府は信仰に基づく迫害を開始しました。多くの宣教師が投獄され、死刑判決を受ける中、ドリーも逃げることなく同じ運命を辿ります。3月8日、彼は他の宣教師たちと共にソウル郊外で拷問にあい、最終的に命を落としました。彼らの遺体は4日間公衆にさらされることとなり、その殉教は多くの人々に深い印象を残しました。

後の評価

ドリーの死後、彼を称える様々な祭りやイベントが行われるようになり、1866年にはタルモン＝サンティレールで盛大な追悼式が開催されました。集まった人々は彼の信仰と貢献に感謝し、彼を称える歌を歌いました。ドリーの生涯と殉教は、後の世代にも深く影響を及ぼし続けています。

生誕地とその後の活動

現在、ドリーの生家は彼の名にちなんだ通りに存在し、訪問者を迎え入れています。また、ラ・ロッシュ＝シュル＝ヨンにある聖アンリ・ドリーの家では、若者たちが信仰を深めるためのプログラムが提供されています。さらには、自転車キャンプも開催され、彼の精神と信仰を引き継ぐ活動が続けられています。

ドリーの生涯は、信仰の力や、愛と真実に生きることの重要性を伝えるものとして、多くの人々に敬愛されています。彼の記憶は現在も生き続け、多くの人々に感動を与えています。

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