ピエール2世 (ブルターニュ公)

ピエール2世 (ブルターニュ公)

ピエール2世（1418年7月7日 - 1457年9月22日）は、15世紀のブルターニュ公であり、ジャン5世（6世）とフランス王シャルル6世の娘ジャンヌ・ド・フランスの息子として生まれました。兄フランソワ1世の跡を継ぎ、公位を担いました。

生涯

1450年、兄の死を受けてブルターニュ公の地位を継承。当初は叔父であるアルテュール・ド・リッシュモン（後のアルテュール3世）の補佐を受け、弟ジルの殺害犯を処罰するとともに、フランス王シャルル7世への臣従を果たしました。

当時のヨーロッパは百年戦争の終盤にあり、ピエール2世はシャルル7世の命により、叔父と共にノルマンディーとブルターニュの防衛に尽力しました。1452年には、ブルターニュに接近したイングランド艦隊を撃退する功績を挙げています。

翌1453年、フランス軍がアキテーヌに駐屯するイングランド軍の撃破を目指し進軍を開始すると、ピエール2世は自らのブルターニュ軍から3000人を援軍として派遣しました。この援軍はフランス軍に合流し、カスティヨンの戦いにおいてフランスの勝利に大きく貢献しました。

しかし、1457年にピエール2世は病に倒れ、39歳という若さでこの世を去りました。1442年にフランソワーズ・ダンボワーズと結婚していましたが、夫婦の間に子供はいませんでした。そのため、彼の死後、公位は叔父であるアルテュール3世が継承することとなりました。

ところが、アルテュール3世もまた翌1458年に子供のいないまま亡くなったため、公位はピエール2世の従弟にあたるフランソワ2世が引き継ぐこととなりました。

ピエール2世の短いながらも激動の生涯は、百年戦争という時代の波に翻弄されながらも、ブルターニュ公として、またフランスの一員として、その責務を果たそうとした姿を今に伝えています。

参考文献

ジャン＝ポール・エチュヴェリー著、大谷暢順訳『百年戦争とリッシュモン大元帥』河出書房新社、1991年。
清水正晴『ジャンヌ・ダルクとその時代』現代書館、1994年。

関連項目

* ブルターニュ君主一覧

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