ピオノノ

ピオノノ（Pionono）について

ピオノノは、甘い焼き菓子として広く親しまれており、特にスペイン、フィリピン、南アメリカ、カリブ諸国で人気があります。ピオノノの名称は、ローマ教皇ピウス9世のイタリア語名に由来していますが、地域によってその形態や味わいは異なります。

スペインのピオノノ

スペインでは、特にグラナダ県のサンタ・フェという小さな町で伝統的なスタイルのピオノノが作られています。この焼き菓子は、二つの主要な部分から構成されています。一つは、数種類の甘いシロップを浸した、薄く層状に巻かれた生地です。もう一つは、キャラメリゼされた砂糖をトッピングし、王冠のような見た目を持つクリーム部分です。このピオノノは一口サイズで、甘さと食感のバランスが絶妙です。

フィリピンのピアニョノ

フィリピンでは、ピオノノは「ピアニョノ（Pianono）」として知られ、主にロールケーキの形式を持っています。基本的にはスポンジケーキで作られ、卵、砂糖、小麦粉を混ぜ合わせてべーキングシートに流し込み、焼き上げます。焼き上がった生地は冷ました後、ジャムやゼリーを塗り、端から巻き上げます。伝統的なフィリングは砂糖とバター（またはマーガリン）ですが、今日では多様なフロスティングやフィリングが楽しめるようになっています。

南アメリカとキューバのバリエーション

南米諸国やキューバでもピオノノの人気は根強く、基本的に小麦粉、卵、砂糖を使用した生地が焼かれ、そのフィリングにドゥルセ・デ・レチェ（キャラメル状の加工乳製品）や、ナッツ類、イチゴなどのフルーツ、ホイップクリームを組み合わせることがよくあります。また、甘くないバージョンも存在し、ハムやチーズ、トマト、マヨネーズ、さらにはチキンサラダやツナサラダなど様々な具材が挟まれることもあります。在住地域によっては、これらは「ブラソ・デ・ヒタノ（Brazo de Gitano）」と呼ばれていることもあります。ウルグアイでは、マッシーニという同様のスポンジ菓子も存在し、こちらは一般的にクリームを挟む形で楽しむことが多いです。

プエルトリコのユニークなスタイル

プエルトリコでは、ピオノノの生地として熟したプランテン（バナナの一種）が使われるのが特徴です。プランテンは皮が黄色くなり、柔らかくなるまで加熱され、これを「パン」のようにしてフィリングを挟むために使います。一般的なフィリングには、ピカディージョ（肉料理）、シーフード、ランチョンミート、チーズ、野菜などがあります。調理法は、小麦粉と卵のバッター液を使って揚げるか、またはバッター液なしで焼かれることが多いです。

ピオノノは、地域ごとに異なるスタイルと多彩な味わいを持つ魅力的な焼き菓子です。各国の材料や作り方の違いを楽しみながら、ぜひ一度味わってみてください。

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