ピサ県

ピサ県（Provincia di Pisa）は、イタリア共和国トスカーナ州に属する県の一つです。県都は、世界的に有名なピサの斜塔があるピサ（Pisa）で、県名もこれに由来します。ピサ県は、トスカーナ州の北西部に位置し、その地形は北部から中部にかけて平野が広がり、南部は山がちな地形となっています。

地理

ピサ県は、トスカーナ州の北西部に位置し、県の北西部はティレニア海に面しています。県境を接する県は、北にルッカ県、北東にフィレンツェ県、南東にシエーナ県、南にグロッセート県、南西にリヴォルノ県と、複数の県に囲まれた場所にあります。

地勢の特徴として、北部ではアルノ川が西から東へと流れ、ティレニア海に注いでいます。このアルノ川は、ピサ県を含むトスカーナ州の主要な河川の一つです。中部ではエラ川（Era）がヴォルテッラ近郊から北へ流れ、ポンテデーラでアルノ川に合流しています。これらの二つの川の流域には肥沃な平野が広がっており、農業が盛んな地域となっています。一方、南部は山がちな地形で、東隣のシエーナ県西部に源を発するチェーチナ川（Cecina）が山地の間を流れ、西隣のリヴォルノ県へと続いています。

県内の地域と主要な都市

2001年の国勢調査に基づく居住地区別の人口統計によると、ピサ県内には人口1万人を超える都市がいくつか存在します。最も人口が多いのは県都のピサで、約8万人以上の住民が暮らしています。その他、カーシナ、ポンテデーラ、サン・ミニアート、ポンサッコなどが主要な都市として挙げられます。

これらの都市はそれぞれ独自の歴史と文化を持ち、ピサ県全体の多様性を形作っています。特にピサは、世界的に有名なピサの斜塔をはじめとする歴史的な建造物が多く、観光地としても非常に人気があります。

行政区画

ピサ県には、合計で37のコムーネ（基礎自治体）が属しています。以下に主要なコムーネ（人口上位10位）を示します。人口は2024年1月1日現在のものです。



21世紀に入って以降、ピサ県ではコムーネの統廃合が進められており、2014年には以下のコムーネが発足しています。カシャーナ・テルメ・ラーリはカシャーナ・テルメとラーリが合併し、クレスピーナ・ロレンツァーナはクレスピーナとロレンツァーナが合併して誕生しました。これらの統廃合は、行政効率の向上や地域活性化を目指して行われています。

ピサ県は、その歴史、文化、自然の美しさから、多くの人々を魅了し続けています。

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