ピチカート・プリンセス

「ピチカート・プリンセス」は、1990年8月22日にCBSソニーからリリースされた、渡辺美奈代さんの14枚目のシングルです。この楽曲は、テレビ朝日系で放送されたドラマ『お嬢だん』の主題歌として使用され、ドラマと共に大きな注目を集めました。

ドラマ『お嬢だん』で、渡辺美奈代さんは、丸の内オフィスを舞台にした物語で、主人公のOL、白井麻子役を演じました。彼女の演じる麻子は、オフィスに何をしに来ているのかわからないという設定で、バブル時代を象徴するような、破天荒で自由奔放なキャラクターを演じ、「アフターファイブの女帝」という異名を持つほどでした。このドラマと楽曲は、当時の社会現象を反映した作品として、多くの人々の記憶に残っています。

「ピチカート・プリンセス」で、渡辺美奈代さんは1990年9月5日放送の「夜のヒットスタジオDELUXE」に17回目の出演を果たしました。この出演回数は、おニャン子クラブ出身者の中では、工藤静香さんの32回に次ぐ、2番目の記録です。（ちなみに、おニャン子クラブとしての出演は7回）。この出演の2週間後には、同番組は22年の歴史に幕を閉じ、レギュラー放送を終了しました。また、この時の演奏は、1988年からコンサートのバックバンドを務めていた「WATANABE GUMI」が担当しました。

このシングルには、ミュージック・ビデオも制作され、「夜明けのヒッチハイク」「恋愛紅一点」「星が生まれる夜には…」を含む4曲が収録されたビデオとして発売されました。その後、2004年にはDVD化され、再発売もされています。

楽曲の特徴として、曲中にはクジラの鳴き声のような効果音（ラジオのノイズのように聞こえる部分）が使用されており、これまでの渡辺美奈代さんのイメージとは異なる、シュールで不思議な作風が特徴的です。タイトルの「ピチカート」とは、ギターやバイオリンなどの弦楽器を指で弾く演奏技法のことで、この楽曲のユニークなサウンドを象徴しています。

カップリング曲である「夜明けのヒッチハイク」は、ヴァニティ・フェアの同名曲のカバーで、TBS系ドラマチック22『ミニパトより愛をこめて2』の主題歌としても使用されました。この曲もまた、ドラマと共に多くの人々に親しまれました。

収録曲

1. ピチカート・プリンセス（4:21）
作詞: 横山武／作曲: 井上ヨシマサ／編曲: ATOM
2. 夜明けのヒッチハイク（3:45）
作詞: M. Murray、P. R. Callander 日本語訳詞 横山武／作曲: M. Murray、P. R. Callander／編曲: ATOM

収録作品

CD
WILL 〜MINAYO SELECTIONS〜
GOLDEN☆BEST 渡辺美奈代 SINGLES
渡辺美奈代 30th Anniversary Complete Singles Collection Disc 2 M-11/M-12

「ピチカート・プリンセス」は、渡辺美奈代さんのキャリアの中でも、特に異彩を放つ作品であり、彼女の新たな一面を見せた楽曲として、今も多くのファンに愛されています。

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