ピナーカ多連装ロケット発射機

ピナーカ多連装ロケット発射機は、インドが開発した国産の多連装ロケット砲であり、インド陸軍の重要な戦力となっています。

開発と導入の経緯

2000年2月にインド陸軍に就役したピナーカは、214mmロケット弾を6発収容するポッド2基を搭載した12連装発射機を、チェコ・タトラ815トラックに搭載しています。その開発は、インドの国防研究開発機構（DRDO）によって進められました。1999年のカルギル紛争での活躍が評価され、インド陸軍は制式導入を決定しました。

システム構成

ピナーカは、発射機だけでなく、ロケット弾の迅速な装填を可能にする装填機、弾薬を補給する補給車、射撃を指揮する司令車、気象データを収集する気象観測車など、複数の車両で構成される複合システムです。これにより、持続的かつ効果的な運用が可能です。

ロケット弾の種類と性能

ピナーカで使用されるロケット弾は、多様な弾頭に対応しています。対戦車子爆弾や対戦車地雷を搭載した弾頭も用意されており、敵の装甲車両に対する攻撃能力も有しています。配備当初の最大射程は45kmでしたが、技術改良により最新型では90kmにまで延伸されています。

精密攻撃型の開発

近年、ピナーカは更なる進化を遂げています。2024年11月14日には、インド国防省がピナーカの「精密攻撃型」の発射試験を実施したことを公表しました。これにより、従来の広範囲への攻撃だけでなく、特定の目標に対する精密な攻撃が可能となり、戦略的な柔軟性が向上しました。

今後の展望

ピナーカは、インドの防衛戦略において重要な役割を担っています。射程の延伸や精密誘導機能の追加など、継続的な改良により、その能力はさらに向上していくと予想されます。国産の多連装ロケット砲として、インドの安全保障に貢献していくことが期待されています。

ピナーカは、インドの防衛産業の発展を象徴する兵器の一つと言えるでしょう。カルギル紛争での実戦経験を活かし、常に最新の技術を取り入れることで、その性能は進化を続けています。

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