ピラトゥス山

スイスの絶景、ピラトゥス山

ピラトゥス山は、スイスのルツェルン近郊にそびえ立つ山で、オプヴァルデン準州、ニトヴァルデン準州、ルツェルン州の3つの州にまたがっています。山頂はオプヴァルデン準州に属し、最高峰は標高2,132mのトムリスホルンです。この山は、その美しい景観と、多様なアクティビティで、多くの観光客を惹きつけています。

世界一の急勾配を誇る登山鉄道

ピラトゥス山へのアクセスで最も有名なのは、フィアヴァルトシュテッテ湖（ルツェルン湖）に面したアルプナッハシュタットから、山頂駅のピラトゥス・クルムまでを結ぶ登山鉄道です。この鉄道は、最大傾斜48％という世界一急勾配のラックレール（ロッハー式）登山鉄道で、その迫力と技術力は多くの鉄道ファンを魅了しています。運行期間は5月から11月までで、積雪状況によって運行開始と終了日が変動します。

もう一つのアクセスルート：クリエンスからの空中ケーブル

ルツェルン近郊のクリエンスからも、ピラトゥス・クルムまで空中パノラマ・ゴンドラと空中ケーブルが運行しています。登山鉄道が運休する冬期でも、このルートを利用して山頂までアクセスできます。ルツェルンからアルプナッハシュタットへは鉄道または湖船、クリエンスへはバスでアクセスできるため、夏期にはルツェルンから2つの異なるルートを利用して周遊することも可能です。

山頂のホテルと絶景ハイキングコース

ピラトゥス・クルムには、「ホテル・ピラトゥス・クルム」と「ホテル・ベルビュー」の2つの山岳ホテルがあります。特に「ホテル・ピラトゥス・クルム」は、1890年築の歴史あるホテルで、1999年からは州の保全指定建造物となっています。また、ピラトゥス・クルムからトムリスホルン山頂まではハイキングコースが整備されており、中央スイス地方のプレアルプスやベルナーアルプス、そして数々の湖を一望できる360度の絶景が広がります。

フレックミュンテックのレジャー施設

クリエンス～ピラトゥス・クルム間の空中パノラマ・ゴンドラと空中ケーブルの乗換駅となるフレックミュンテックには、中央スイス地方最大規模のザイルパーク「ピラトゥス・ザイルパーク（ロープパーク）」や、スイス最長の1350mを誇る夏ソリ（スライダーコースター）があり、大人から子供まで楽しめる場所として人気です。

山の名前の由来と伝説

ピラトゥス山の名前は、イエスを処刑したとされる古代ローマの司令官、ポンティウス・ピラトゥス（ピラト）に由来するとされています。伝説によれば、ピラトゥスの亡霊がこの山にたどり着いたとされ、中世にはこの山に登ることが禁じられていました。また、別の伝説では、かつてこの山に竜が住んでいたとされ、竜はピラトゥス山のシンボルマークとなっています。

このように、ピラトゥス山は美しい自然景観だけでなく、歴史と伝説、そして多様なアクティビティが楽しめる魅力的な山です。スイスを訪れる際には、ぜひこのピラトゥス山を訪れて、その魅力を体験してみてください。

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