ピープル・ファースト

ピープル・ファースト（People First）

ピープル・ファーストは、知的障害を持つ当事者たちが自らの問題について発言し、自己権利を擁護することを目的とした団体です。一般的には「セルフ・アドヴォカシー」として知られるこの運動は、障害を持つ人々がまず人間として認識されることを目指しています。この運動の名称には、「ピープルファースト」とも表記されることがあります。

概要

この運動の起源は1973年にさかのぼります。当時、アメリカ・オレゴン州での知的障害を持つ人々の集まりの中で、ある少女が「障害者としてではなく、まず人間として扱われたい」との発言をしました。この発言がきっかけとなり、ピープル・ファーストという名称が生まれました。1974年にはカナダで初めてのピープル・ファーストのグループが設立され、1984年にはカナダ全土にその地方組織が広がりました。

日本においては、1995年に東京で初のピープル・ファーストのグループである「ピープル・ファースト話し合おう会」が誕生し、その後、全国各地にローカル組織が増加していきました。東京、兵庫、北海道など、主要な都市周辺には多くのグループが形成されていますが、中には「ピープル・ファースト」という名称を使用していない団体も存在しています（例：ぴあねっと浜松やヘルプセンターじゃんぷなど）。これらの団体は、既存の当事者団体が変化を遂げた結果成立したものと考えられます。

もともとは知的障害を持つ人を中心に活動していましたが、近年では他の障害を持つ人々の団体も参加し、多様性が広がっています。ピープル・ファーストの活動は国内外で広まっており、国際会議なども行われています。こうしたイベントを通じ、当事者たちが互いに支え合い、力を高めていく機会が増えています。また、一般の人々がこの問題を理解し、支援することも重要とされているのです。

参考文献

ピープル・ファーストに関連する書籍として、カリフォルニア・ピープルファースト編の『私たち、遅れているの？知的障害者はつくられる』（現代書館、1998年）があります。この書籍では、知的障害に関する現状や運動の背景が詳しく紹介されています。

関連項目

• - 障害者

外部リンク

• - ピープルファーストジャパン
• - People First of California (英語サイト)

ピープル・ファーストの活動は、障害を持つ人々が自己を表現し、社会の中で平等に扱われることを目指しています。彼らの声が、より多くの人に届くことを願っています。

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