ファイアーエムブレム (島田ひろかずの漫画)

ファイアーエムブレム (島田ひろかず)

『ファイアーエムブレム』は、島田ひろかずによって漫画化された作品で、任天堂のファミリーコンピュータ用ゲームソフト『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』（1990年発売）を原作としています。この漫画は、『暗黒竜』のゲーム開始前からエンディングまでの物語を描いた、最初の漫画化作品です。

概要

『ファミリーコンピュータMagazine』にて1991年から1992年にかけて連載されました。その後、1992年には「グルニア異聞」が発表され、1993年にはこれらの作品をまとめた単行本がJICC出版局から発行されました。

原作ゲーム『暗黒竜と光の剣』の設定に準拠していますが、雑誌連載という制約から、各話が16ページと短く、著者独自のオリジナル要素や削除された要素も含まれています。作品を描くきっかけは、著者が徳間書店の担当者に送った年賀状だったとされています。

帯宣伝のキャッチコピーは「蹂躙された祖国を巡って 若き王子の冒険が始まる」です。

各話あらすじ

各話は、ゲーム『暗黒竜と光の剣』のストーリーに沿っていますが、漫画独自の解釈や展開も含まれています。

第一章：暗黒竜の復活：マルスの旅立ちを描き、アリティア城陥落のオリジナルストーリーが追加されています。これは、後の『BS[[ファイアーエムブレム アカネイア戦記編]]』や『ファイアーエムブレム 新・暗黒竜と光の剣』とは異なる内容です。
第二章：覇者の証：「オレルアンの騎士達」「ファイアーエムブレム」「レフガンディの罠」に準拠。
第三章：囚われの王女：「プリンセス・ミネルバ」に準拠。
第四章：祖国アリティア：「スターロード・マルス」に準拠。
第五章：宝珠の守護者：「マムクート プリンセス」に準拠。
第六章：兄妹の悲哀：「天空を駆ける騎士」に準拠。ミシェイルが飛竜に騎乗していない点がオリジナル。
第七章：再会、そして…：「悪の司祭ガーネフ」に準拠。
第八章：神剣（ファルシオン）よ永遠に：「マムクートの王国」「選ばれし者達」を織り交ぜた構成。
第九章：グルニア城異聞：「ブラックナイツ カミュ」に準拠。ニーナが主人公。

登場人物

作品に登場するキャラクターは、『暗黒竜』の設定に基づいていますが、容姿や性格にアレンジが加えられています。以下に主なキャラクターを紹介します。

マルス：アリティア王国の王子で、物語の主人公。アリティア陥落時に14歳、タリスからの進軍時は16歳。姉であるエリスの無事を常に気にかけている。剣だけでなく弓も使用する場面がある。
エリス：アリティア王国の王女。マルスを脱出させる際にワープの魔法を使用。ガーネフに追い詰められた際には高笑いをするなど、毅然とした態度を見せる。復活の杖・オームの使い手。
シーダ：タリス王国の王女。マルスを助け、共に戦う。楽天的な性格だが、マルスがエリスばかりを気にかけることに嫉妬する一面も。
カミュ：グルニア黒騎士団を率いる将軍。ニーナとは過去に面識がある。グルニア王国陥落後、ニーナに似た人物が他国で見つかったという報告が上がる。
ミネルバ：旧マケドニア王国の王女。妹のマリアを人質に取られ、ドルーア軍に参戦するも、後にマルスに協力する。兄であるミシェイルを憎んでいる。
ミシェイル：旧マケドニア王国の王子。妹のミネルバからは憎まれている。アリティア軍に暗殺を試みるが、ミネルバに阻止される。
リンダ：大司祭ミロアの娘。奴隷として売られているところをマルスに助けられる。魔法の腕は未熟だが、マルスを助けるために戦う。

特徴

用語事典とキャラクター図鑑：単行本には、アカネイア大陸の地図やキャラクター図鑑が収録されています。キャラクター図鑑では、『暗黒竜』の戦闘グラフィックでユニットが紹介されています。
オリジナル要素：漫画独自のストーリー展開やキャラクター設定が盛り込まれています。

その他

著者の島田ひろかずは、作品執筆にあたり、「FEのイメージを損なわないように」というプレッシャーを感じつつも、「大好きな作品だったので燃えた」と語っています。お気に入りのキャラクターはリンダであり、カミュとミシェイルも気に入っていると述べています。

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