ファイアーエムブレム暁の女神

『ファイアーエムブレム暁の女神』は、インテリジェントシステムズが開発し、任天堂が発売したWii専用のシミュレーションRPGです。キャッチコピーは「共に戦い、共に生きる」。

概要

本作はファイアーエムブレムシリーズの第10作目であり、Wii初の作品です。『蒼炎の軌跡』の直接的な続編として、その3年後の世界が舞台となっています。物語は複数の部隊やユニットを操作しながら進み、シリーズおなじみの戦略性と、Wiiならではの表現力が融合した作品です。ゲーム初心者にも安心のチュートリアルモードも搭載されています。

2006年のE3で初めて公開され、日本では2007年2月22日に発売されました。北米、ヨーロッパ、オセアニアでは、いくつかの変更が加えられたバージョンが発売されています。キャラクターデザインは前作に引き続き北千里氏が担当。ディレクターは『烈火の剣』以来となる金田妙子氏、前作のディレクター堀川将之氏はプロジェクトアシスタントを務めました。

ゲームシステム

基本システムは前作『蒼炎の軌跡』を踏襲しつつ、様々な新要素や変更点が加えられています。

シナリオ

物語は4部構成で展開し、各部で主人公が交代します。第1部はミカヤ、第2部はエリンシア、第3部はアイクが主人公を務め、最終第4部では再びミカヤとアイクが物語の中心となります。今作では、主人公専用職である「ロード」は登場しません。また、2周目以降のプレイでなければ仲間にできないキャラクターや、発生しないイベントも存在し、一度のクリアでは物語の全貌を把握することはできません。

難易度

難易度は「ノーマル」「ハード」「マニアック」の3種類から選択可能です。「マニアック」は「ハード」をクリア後に選択可能になります。「ノーマル」は「ハード」以上に比べて会話テキストが簡略化され、チュートリアル的な要素が強くなっています。「マニアック」では、取得経験値の減少、敵の行動範囲の非表示、武器の3すくみの無効化など、システム面での変更が多数存在します。

武器

武器には、鉄系武器の下位種である青銅系の武器が初登場しました。物理ダメージで間接攻撃が可能な剣や、長槍、戦[[斧]]といった新たな武器も追加されています。軽器系は短剣として独立し、武器の3すくみから外れるとともに、素材の種類も細分化されました。近接攻撃が可能な弓として、弩が登場したのも特徴です。武器の素材名はすべて漢字で表記されるようになりました。武器レベルにはSの上にSSが追加され、各系統の最上位武器が充実しました。

武器の3すくみ

武器の3すくみは、シリーズ伝統の「剣→斧→槍→剣」に加え、魔法の3すくみとして「理→光→闇→理」が採用されています。

杖

杖は装備品として扱われるようになり、使用すると自動的に装備状態になります。杖の種類によって、体力回復や能力値上昇など、さまざまな効果が得られます。杖装備ユニットや化身前のラグズは、敵から攻撃を受けた際に反撃を行うようになりました。

マップ

シリーズ初の高低差のあるマップが導入され、段差の上と下では威力や命中率に補正がかかります。騎馬ユニットは段差を通過できません。屋内マップでは、騎馬・飛行ユニットの移動力が低下します。各マップには属性が設定されており、ユニットの属性と一致した場合、命中と回避が上昇します。

ユニット

ユニットには、下級職、上級職に加え、最上級クラスが登場します。ラグズの最大レベルは40となりました。クラス名はすべて漢字表記となっています。

ラグズユニットの化身システムが見直され、ゲージが満タンであればいつでも任意に化身できるようになりました。化身時にはHPと幸運を除くパラメータが2倍になります。

スキルシステム

スキルは着脱が自由になり、複数のユニットで使い回せるようになりました。個人スキルは初めから装着されています。

バイオリズム

バイオリズムは、ユニットの能力に大きな影響を与える要素となりました。命中や回避だけでなく、スキルの発動率や財宝の発見確率にも影響します。ユニットごとにバイオリズムのパターンが異なり、個性が生まれています。

支援システム

支援は1人とのみ結べますが、相手は固定されていません。支援関係は解消することも可能です。支援会話は、支援関係を結んだ後にマップで任意に発生させることができます。

データ引継ぎ

『蒼炎の軌跡』のクリアデータがあると、特典が得られます。初期パラメータの上昇や、絆支援の追加などが利用可能です。

ストーリー

物語は、前作『蒼炎の軌跡』から3年後のテリウス大陸を舞台に展開します。デイン王国はベグニオン帝国の支配下に置かれ、圧政に苦しむ民衆を救うため、ミカヤ率いる暁の団が立ち上がります。一方、クリミア王国では、エリンシア女[[王]]に対する反発の動きが表面化しつつありました。そんな中、アイクはガリアの獣戦士ライから衝撃的な真実を聞かされます。23年前の「セリノスの大虐殺」事件の真相を追求するため、ラグズ連合が帝国に進軍を開始。アイクも再び戦乱に身を投じることになります。

神使サナキ率いる帝国軍と、血の誓約に縛られたデイン軍の戦いの最中、ユンヌの力によってベオクとラグズが石化してしまう事件が発生。アスタルテの裁きから人々を救うため、ミカヤ、アイク、ティバーンたちは、ベグニオン帝都を目指します。

日本国外版の違い

日本国外版では、会話や一枚絵の追加、専用武器の追加、初期値の上昇、難易度の調整、ギャラリーの追加など、様々な変更が加えられています。画面比率の選択や、メッセージの多言語対応なども特徴です。

外部リンク

- ファイアーエムブレム暁の女神（任天堂公式サイト）

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