『ファイト』は、
2005年度前期にNHKで放送された
連続テレビ小説の第72作です。
2005年3月28日から
10月1日まで、全156回にわたって放送されました。
群馬県高崎市と
四万温泉を舞台に、ヒロインの成長を描いた作品です。
あらすじ
物語は、15歳のヒロイン・木戸優(
本仮屋ユイカ)が、父の会社のトラブルによる家族離散、自身の挫折や友人とのトラブルから
不登校になるという苦難から始まります。しかし、彼女は
四万温泉の人々、厩舎の人々、そして運命の競走馬・サイゴウジョンコとの出会いを通して、立ち直っていきます。家族の幸せを取り戻し、大好きな馬を育てる牧場経営に意欲を燃やすまでを描いた感動のドラマです。
ドラマの特徴
舞台:群馬県高崎市、四万温泉
ヒロイン:木戸優(
本仮屋ユイカ)
テーマ:家族の絆、挫折からの立ち直り、夢の実現
ヒロイン・木戸優役には、1154人が応募したオーディションで本仮屋ユイカが選ばれました。放送当時10代の本仮屋が全話を通じてヒロインを演じるのは、連続テレビ小説史上初の試みでした。
関東地区での平均視聴率は16.7%、最高視聴率は21.9%を記録しました(ビデオリサーチ調べ)。また、2011年度下半期に放送された連続テレビ小説『カーネーション』では、老年期の主人公が本作を視聴するシーンが引用されています。
ドラマの舞台
村上厩舎
物語の重要な舞台となるのが、群馬県高崎市にあるという設定の「村上厩舎」です。優は中学、高校に通う際に毎朝この厩舎に立ち寄ります。ぐんま競馬場内にあるという設定ですが、モデルとなった高崎競馬場は2004年12月31日限りで廃止されました。
実際の撮影は、東京・世田谷区の馬事公苑で行われました。厩舎の建物は、このドラマのために特別に作られたオープンセットです。馬にも配慮した本格的なものでした。撮影終了後は、馬事公苑のイベントで一般公開されましたが、2006年8月に解体されました。
駒乃館
四万温泉にある老舗旅館「駒乃館」は、琴子の実家という設定です。木戸一家が一時的に暮らす場所でもあります。旅館前のシーンは、四万温泉に実在する旅館の前で撮影されました。旅館の主人・駒田隆行役を演じた児玉清は、太平洋戦争中に四万温泉へ疎開した経験があります。
登場人物
木戸優:主人公。動物と心を通わせる力を持つ。
木戸啓太:優の父。「木戸バネ製作所」の社長。
木戸亜沙子:優の母。
村上義高:「村上厩舎」のベテラン調教師。
品川太郎:「村上厩舎」の厩務員。
サイゴウジョンコ:芦毛の競走馬。優と心を通わせる。
駒田隆行:「駒田旅館」の主人。
駒田絹子:「駒田旅館」の女将。
駒田琴子:隆行と絹子の娘。
キャリアウーマン。
スタッフ
作:橋部敦子
音楽:榊原大
題字・タイトル画:西原理恵子
語り:
柴田祐規子
主題歌・挿入歌
*
挿入歌:「サイゴウジョンコ応援歌」(歌:
由紀さおり/
本仮屋ユイカ、田中冴樹)
『ファイト』が描いたもの
『ファイト』は、困難に立ち向かい、夢を追いかけるヒロインの姿を通して、家族の絆や人とのつながりの大切さを描いた作品です。
群馬県の美しい風景を背景に、心温まる物語が繰り広げられました。