ファインダー

カメラファインダーのすべて：種類、仕組み、歴史

この記事では、カメラのファインダーについて、その種類、仕組み、歴史を網羅的に解説します。光学ファインダーからデジタルカメラの電子ファインダーまで、多様なファインダーの世界を深く掘り下げていきます。

光学ファインダー

光学ファインダーは、レンズを通して直接、または光学系を用いて被写体の像を目視するファインダーです。古くから使われている技術で、シンプルな構造から複雑なものまで様々な種類があります。

1. ビューファインダー

ビューファインダーは、主にコンパクトカメラやレンジファインダーカメラなどに用いられる簡素なファインダーです。レンズを通して直接被写体を見るタイプ（素通しファインダー）や、簡単な光学系を用いて虚像を作るタイプ（逆ガリレオファインダー）などがあります。素通しファインダーは軽量で歪みが少ない反面、画角が固定で近接撮影では視差が生じます。逆ガリレオファインダーは小型化に適していますが、周辺部の歪みが大きくなる場合があります。その他、コンツールファインダーやケプラーファインダーなど様々なタイプが存在し、それぞれに特徴があります。ケプラーファインダーは実像を結ぶタイプで、ズームレンズとの相性がいい反面、色にじみが出やすいというデメリットがあります。

2. ブライトフレーム

ブライトフレームは、ファインダー視野内に写る範囲を示す枠を明るく表示する仕組みです。採光式とアルバタ式があり、採光式は明るい枠がはっきりと見える反面、大型化しがちです。アルバタ式は小型で安価ですが、暗い場所での視認性が低く、パララックス補正機構の追加も困難です。

3. 距離計内蔵式ビューファインダー

主に距離計連動式カメラに用いられ、ファインダー内に二重像合致式の距離計を内蔵しています。2つの像が重なった位置でピントが合う仕組みです。

4. レフレックスファインダー

一眼レフカメラや二眼レフカメラに使われるファインダーで、レンズを通して来た光をミラーで反射させ、スクリーン上に結像させて観察する方式です。撮影レンズを通して直接像を見るため、正確なピント合わせや構図確認が可能です。しかし、ファインダー像の明るさはレンズの明るさに依存し、素早いピント合わせが難しいという欠点もあります。

スクリーン

スクリーン（ピントグラス）は、スリガラスにフレネルレンズやコンデンサーレンズを組み合わせ、明るさを向上させたものです。近年では、微細プリズムを用いたスクリーンが普及し、ピント合わせの精度も向上しています。また、スプリットイメージやマイクロプリズムを用いたスクリーンは、ピント合わせを容易にするための工夫です。

反射鏡

反射鏡には、表面鏡と裏面鏡があり、表面鏡は傷つきやすいという欠点があります。

ウエストレベルファインダー

ファインダー像が左右反転し、逆入射光の影響を受けやすいという欠点があります。しかし、カメラを構える必要がないため、素早い撮影に適しています。

アイレベルファインダー

ペンタプリズムなどを使用して、正像を表示するファインダーです。ウエストレベルファインダーに比べ、使い勝手が良いですが、構造が複雑で高価になりがちです。

5. ビューカメラのファインダー

ビューカメラは、レンズでフォーカシングスクリーンに直接像を結ぶため、上下左右逆像となります。レンジファインダーを併用するタイプもあります。

デジタルカメラのファインダー

デジタルカメラでは、光学ファインダーに加え、ライブビューモニタや電子ビューファインダー(EVF)が用いられています。

1. ライブビューモニタ

液晶ディスプレイに撮像素子からの映像を表示するファインダーです。自由度の高い構図撮影が可能ですが、明るい場所での視認性が悪く、レスポンスの遅れや消費電力の大きさなども課題です。

2. 電子ビューファインダー(EVF)

小型液晶ディスプレイに撮像素子からの映像を表示し、接眼部を通して覗き込むファインダーです。光学ファインダーに比べて多くの情報を表示でき、視認性も高いですが、解像度やタイムラグが光学ファインダーに劣る場合があります。

まとめ

カメラのファインダーは、カメラの種類や用途によって様々な種類があり、それぞれに長所と短所があります。この記事で紹介した情報を参考に、最適なファインダーを選択して、より良い撮影を楽しんでください。

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