ファウストボール

ファウストボールの紹介

ファウストボール（Fistball）は、ドイツで発展した独特な球技であり、現在はワールドゲームズの公式種目として広く知られています。このスポーツは、２チームが競技しながら、ネット越しにボールを打ち合う形式で行われます。ファウストとはドイツ語で「拳」を意味し、英語圏ではフィストボールとも称されます。通常、各チームは5人のプレイヤーで構成され、控え選手が最大5人までいます。そして、男女別に行われる世界ファウストボール選手権やアジアパシフィック選手権などが開催されています。

歴史

ファウストボールの起源は明確には特定されていませんが、記録によればその発祥はヨーロッパ南部、特にイタリアにさかのぼると考えられています。紀元前3世紀の文献には、拳で革製のボールを打つ遊びの記載があり、ファウストボールは古代から存在した競技の一つとされています。240年にはローマ皇帝ゴーディアンによって初の試合記録が残され、さらにはロマン派の有名作家であるゲーテも「イタリア紀行」の中でこの競技について触れています。

1870年、ゲオルク・ウェーバーがドイツにこのスポーツを導入し、以後、体操選手たちによって普及が進められました。1885年には初の大会がドレスデンで開催され、その後1894年にウェーバーは競技としてのルールを確立しました。ドイツ以外の国々や南米、西アフリカでもディアスパラによって広められ、1913年には初のドイツ選手権が実施されました。

日本におけるファウストボールの歴史は比較的最近のもので、1997年のワールドゲームズ・ラハティ大会で日本の関係者が競技を目にし、その後すぐに秋田県ファウストボール協会が設立されました。1998年には日本ファウストボール協会として改称され、国際スポーツ連盟に加盟。その後、公益社団法人としての活動も行い、日本代表として世界大会への派遣も行ってきました。

ルール

ファウストボールは、バレーボールに似た形で運営されるスポーツです。2つのチームがそれぞれのハーフコートで対峙し、中央にはネットがあります。選手がボールやネットに接触することはファールとなります。各チームは5人のプレイヤーから構成され、ボールは拳や腕で打つ必要があります。

ゲームの中では、ボールが1回バウンドすることが許されますが、2回バウンドするとファールが発生します。1ターンあたり、最大3人がボールに触れ、そのうち最後のプレーヤーは相手コートへボールを返す使命を持っています。

得点は相手チームがファールをした場合に認められ、サーブ権もそのチームが得ます。セットは通常11点先取で行われ、10対10になった場合は2点差か15点に達するまで試合が続行されます。

ファールの種類

ファウストボールでは、いくつかのファールが設定されており、これにより相手チームに得点が与えられます。ファールの要因には、サーブやプレーヤーが網やポストに触れること、コート外でボールが落ちることなどが含まれます。また、ボールがツーバウンドした場合や、一プレーヤーがターン内に2回ボールに触れることもファールとなります。

コートのサイズ

ファウストボールのコートは、通常50m×20m（ハーフコート25m×20m）ですが、屋内の場合は40m×20mのサイズになります。ネットは男性では2m、女性では1.90mの高さで設置され、競技場には後方や側面のエリアも含まれます。

このように、ファウストボールはその独特なルールと歴史を背景に持つスポーツであり、日本でも徐々に普及しつつある競技となっています。

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