ファウード

魔導巨兵ファウード：『金色のガッシュ!!』に登場する超巨大魔物

ファウードは、雷句誠の漫画作品『金色のガッシュ!!』に登場する、作中でも屈指の強さを誇る超巨大な魔物です。その正式名称は「魔導巨兵ファウード」といい、大昔の魔界において魔導の術によって誕生したと伝えられていますが、誰が創造したのかは明らかにされていません（ただし、27巻の口絵には製作者らしき人物の後ろ姿が描かれています）。

概要

ファウードは世界を滅ぼすほどの強大な力を持つため、魔界の極地に封印されていました。しかし、リオウの一族によって人間界に転送され、封印が解かれてしまいます。封印解除直後には、腹ごしらえのためか鯨を丸呑みにし、くしゃみだけで島を吹き飛ばすなど、その圧倒的な力を見せつけました。

原作では、ガッシュがゼオンの力を借りて発動した真の「バオウ・ザケルガ」によって黒焦げになった後、装置のタイマーが起動し魔界へ帰還しました。ガッシュが魔界の王となった後は、他の魔物たちと共にガッシュによって人間サイズの新しい肉体を与えられ、魔界で平和に暮らしています。

アニメ版では、清麿の言動からファウードは土から作られた存在であることが示唆されています。最後は、ガッシュの巨大な「バオウ・ザケルガ」によって破壊され、その残骸は大地の一部として還っていきました。

兵装と能力

ファウードは、その巨体と魔力に裏打ちされた多彩な兵装と能力を持っています。

主砲: 口から放つ巨大な超強力エネルギー波。ただし、大量のエネルギーを消費するため連射はできません。
十指砲（カーファーロウ）: 両手の指からレーザーを放ちます。
角の剣: 首元にある角のようなものを外し、物理攻撃に使用します。
穴の砲: 体の各部にある穴から、前後にビームを放ちます。
水泳: 巨体にもかかわらず、泳ぐことが可能です。シンクロナイズドスイミングのような動作もできます。
高速移動: 背中からエネルギーをジェット噴射し、高速で移動します。その速度は、ニュージーランドから日本まで約1時間で移動できるほどで、推定速度はマッハ8前後に達します。

諸機能

ファウードには、戦闘能力以外にも様々な機能が備わっています。

鍵たる石: リオウが額につけていた宝石のような装置で、これを身につけた者だけがファウードを意のままに操ることができます。装置を身につけると、操作方法や機能が直接脳に伝わってきます。ゼオンとの最終決戦でガッシュのバオウによって破壊されたため、ファウードは暴走してしまいます。アニメ版では、ゼオンが悪あがきで破壊し、意図的に暴走させました。
異世界間転送: リオウの一族が後から取り付けた装置で、人間界と魔界の間を移動するために使用されます。作中では一貫して「ファウードを魔界に帰す装置」と呼ばれており、タイマー機能があるため無人でも転送が可能です。エネルギーは心臓から供給されます。清麿はこの装置のコンピュータにロックをかけたり、兵器の照準設定を制限したりするなどの細工を施しました。
瞬間移動: 異世界間転送装置にあるもう一つの機能で、離れた場所へ瞬時に移動します。エネルギーは心臓から供給されます。ファウードが人間界に出現した直後には、ユーラシア大陸北部のレスカ山脈からニュージーランドへ瞬間移動しました。清麿はこの機能を利用して、ファウードをケルマディック海溝に沈めようとしました。
透明化: 結界によって外部から存在が見えないように透明化します。
絶対魔力防壁（マジック・シールド）: ファウードが封印されている間、脳や心臓などの重要機関を守るためのシールドで、魔物の術などの魔力を無効化します。ただし、ファウード自身の魔力も無効化してしまうため、封印が解けると解除されます。
回復液: 肝臓から分泌される、ファウードを動かす魔力を含んだ血液から養分だけを抽出した液体です。体力や心の力を回復させる効果があり、飲むだけでなく体を浸すことでも効果を発揮します。魔物だけでなく人間にも有効ですが、効果が現れるまでには時間がかかります。リオウや清麿もこの回復液によって復活を遂げました。味は清麿曰く「不味い」らしいですが、他の登場人物は特に不平を言うことなく口にしていました。
ゴデュファの契約: ファウードの肉体に触れて「ゴデュファ」と唱えた者に、ファウードの細胞を与えることで桁違いの力を分け与えます。「ゴデュファ」の契約を受けた魔物は、ロデュウ、キース、ファンゴ、ギャロン、ジェデュンの5体です。力を得た者は容姿が変貌し、ファウードの主を倒そうとする意思を失い、主のために戦おうとします。場合によっては性格も邪悪化します。それでもファウードの主に危害を加えようとした場合は、体内に侵入したファウードの細胞によって肉体が崩壊し、やがて死に至ります。
防御壁（ヘビー・シールド）: ファウード内の部屋で魔物が術を使用すると発動する、室内保護のためのシールドです。
移動装置: ファウードに118ヶ所ある、人や魔物をファウードの各部屋にワープさせる装置です。
数の鉄扉: 2階に仕掛けられた罠で、侵入者を妨害する800もの重い扉です。その中にあるたった一つの本物の扉を見つけないと通過できません。
透明な壁: 3階に仕掛けられた罠で、敵の呪文を一切通しません。
柱: メインコントロールルームに立てられている柱で、内部に魔物や人間を閉じ込める機能を有します。柱は魔力を通さない特殊鉱物でできており、閉じ込められている状態では呪文は届きません。
サポートシステム: アニメ版のみの機能で、土のようなものから魔物の分身が現れます。また、パートナーに直接ファウードの力を注ぎ込み、心の力を増大させ、術の威力を大幅に上げることも可能です。
体内魔物: 侵入者を排除するために、リンパ節に当たる器官から無数に生み出される魔物で、ファウードの免疫として活動します。口から強力な酸を吐く能力を持ちます。

独自の意志を持つ体内魔物（一部）

ウンコティンティン: ファウードの胃壁に上半身のみを張り出していた巨大な体内器官魔物で、「知の門番」を自称します。ファウードの体内に侵入した者の知能を試すことを使命としており、海賊風の姿に変身後は高い戦闘能力を見せました。アニメ版ではバリーによって倒されました。
心臓を打つ魔物: ファウードの封印が解かれる前まで、その心臓をひたすら打ち続けていた巨大な体内器官魔物です。ファウード復活後は外敵を排除する役割を担うようになり、驚異的な回復能力を持ちます。アニメ版ではテッドによって倒されました。
デゴスミア: ファウードの透明な壁の部屋で、キースと共にガッシュたちを迎え撃った3つの頭を持つ体内魔物です。キースのパワーアップした呪文を喰らっても平然としていましたが、バリーの呪文によって瞬殺されました。
ウンコティンティン2世: 多数の腕を持ち、コンピューターの操作に特化しています。清麿が掛けたファウードのコンピューターロックを外そうとしていました。

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