ファッションモデル

ファッションモデルの役割と歴史

ファッションモデルとは、衣服や装飾品を身にまとい、ファッションブランドのイメージを伝えることを職業とするモデルのことです。彼らは広告やファッション雑誌での撮影、さらには各種ショーに参加することで、そのブランドのアイコンとなる役割を果たしています。

日本におけるファッションモデルの歴史

日本でのファッションモデルの歴史は、戦前まで遡ることができます。当時は映画女優がモデルの役割を果たしており、彼女たちの仕事はあくまで女優業の副業的なものでした。しかし、戦後になると、日本の繊維産業が活性化し、ファッションショーが開かれるようになり、一気にモデルという職業が確立されることになります。

1951年の『英文毎日』によるファッションコンテストで選ばれた女性たちが日本初のファッションモデルとされており、そのうちの一人である伊東絹子は1953年のミス・ユニバース大会での活躍により、モデルとしての地位を確立しました。

彼女たちと共に、相島政子をはじめとした多くのモデルたちがファッション・モデル・グループ（FMG）を結成するなど、モデル業界の基盤が固まっていきました。敬称されるような職業モデルの確立は、日本が世界に先駆けて成立させたものであり、当時の経済状況においてファッションが人々の間で広まる必要があったことも一因です。

ファッションモデルの種類

ファッションモデルは大きく分けて以下の三種類があります。
1. ハイファッション: 高名なブランドをイメージした広告やファッション雑誌、コレクションショーなどに出演するモデルです。
2. コマーシャル: テレビCMやポスター、カタログなど、様々なプロモーションに参加するモデルを指します。
3. パーツモデル: 手や足など特定の身体部分をモデルとする専門のモデルです。彼らは特定の部分の美しさに特化しています。

モデル業界においては、ほとんどのモデルがマネジメント会社に所属しています。これはファッション業界の流行が速いため、個々のモデルがデザイナーと直接契約を結ぶことが少なく、マネジメントの介入が不可欠であるためです。一般には、モデルの職業寿命は5年から10年程度とされていますが、その後は女優やタレント、デザイナーなどへとキャリアチェンジすることもよく見られます。

痩せすぎモデルの問題

ファッションモデルにおける議論の中で、特に目を引くのが「痩せすぎモデル」の問題です。2006年にはブラジル人モデルが拒食症を原因とした死を遂げたことにより、過剰に痩せたモデルが使われることに対する警鐘が鳴らされました。その結果、スペインやイタリアではBMI基準に基づいて痩せすぎモデルのファッションショー出演を禁止するなどの厳しい措置が取られました。

一方で、アメリカやフランスは規制よりも啓蒙活動を重視する方針を示しています。日本ではこの現象に対する厳密な基準が確立されていないため、各デザイナーが自主的に判断することとなりますが、依然として問題が残されています。

モデル業界の展望

現在、ファッションモデルの業界は急速に変化し、多様な役割を持つモデルが求められる時代です。特に、プラスサイズモデルやストリートスナップを活用した一般人モデルの登場が増え、ファッションの在り方も変わりつつあります。これにより、プロのモデルも新たな評価基準に直面し、収入や仕事の機会側面で影響を受けている展開が見えます。

ファッションモデルはその美しさだけでなく、業界の変化にも柔軟に対応する力が求められる職業であり、これからのファッションの未来を担っていく存在でもあります。

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