ファヒム パリが見た奇跡

『ファヒム パリが見た奇跡』（原題：Fahim）は、2019年に公開されたフランスのドラマ映画です。この作品は、バングラデシュからフランス・パリへと難民として逃れた少年、ファヒム・モハンマドの実話を基にしています。彼は後にチェスのチャンピオンとなるのですが、その道のりは困難に満ちていました。

主人公ファヒムを演じたアサド・アーメッドは、この映画の出演が決まるわずか3ヶ月前に、実際にバングラデシュからフランスに移住してきたという背景を持っています。彼の演技は、役柄と重なり、観客に深い感動を与えます。

物語は、バングラデシュでチェスの才能を発揮していた8歳の少年ファヒムが、国内の大会で連戦連勝し、天才チェス少年として知られるようになる場面から始まります。しかし、彼の親族が反政府組織に属していたことから、彼は次第に妬みの対象となり、ついには殺害の脅迫を受けるまでに至ります。身の危険を感じたファヒムの父親は、息子を連れてフランス・パリへと逃亡し、政治難民として難民センターでの生活を余儀なくされます。

パリでの生活が始まったある日、ファヒムは父親に連れられてチェスクラブを訪れます。そこで彼は、フランスで最も優秀なチェスコーチの一人であるシルヴァンと出会います。シルヴァンは、ファヒムの才能を見抜き、共にチェスのフランス国内大会での優勝を目指すことになります。しかし、最初はなかなか勝利を掴むことができない日々が続きます。それでもシルヴァンは、ファヒムの才能を信じ、厳しくも根気強く指導を続けます。

その指導の結果、ファヒムは目覚ましい成長を遂げ、シルヴァンと共に全国大会への出場を決めます。しかし、ファヒムと父親には強制送還の危機が迫っていました。ファヒムは、自分が勝利すれば、母国に残してきた母親を含め、再び家族で一緒に暮らせると信じ、必死で勝負に挑みます。彼の戦いは、単なるチェスの試合ではなく、家族の未来をかけた、まさに人生を賭けた戦いでした。

映画には、ファヒム・モハンマド役のアサド・アーメッドをはじめ、シルヴァン・シャルパンティエ役にはジェラール・ドパルデュー、ヌラ役にはミザヌル・ラハマン、マチルド役にはイザベル・ナンティ、ピエール・ゴンムなどが出演しています。これらの俳優陣の熱演も、この映画の見どころの一つです。

この映画は、難民として異国で生きる少年の苦難と、彼がチェスを通して成長していく姿を描いており、観る人に勇気と感動を与えます。単なるスポーツ映画としてだけでなく、社会問題にも切り込んだ作品として、多くの人々に共感を呼んでいます。

外部リンク
日本版オフィシャルサイト
ファヒム パリが見た奇跡 - allcinema
ファヒム パリが見た奇跡 - KINENOTE
IMDbのページへのリンク'>Fahim - IMDb（英語）
* Fahim - AlloCiné（フランス語）

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