ファンタスティックフォーチュン

『ファンタスティックフォーチュン』は、1998年に富士通から発売されたWindows用恋愛シミュレーションゲームです。後にサイバーフロントから廉価版（2000年）とPS版（2001年）が発売されました。本作は、ファンから「フォーチュナー」と呼ばれ、熱狂的な支持を集めました。

概要

本作は、企画・シナリオ・原画をゆうきあずさが担当しています。元々は企画と原画のみ担当予定でしたが、シナリオ担当者の降板により、急遽ゆうきが兼任することになりました。同じワーランドを舞台とする全年齢対象の恋愛シミュレーションゲーム『エーベルージュ』とは世界観を共有しており、「エーベ女神」や「アンヘル族」といった共通の要素が見られます。ただし、『ファンタスティックフォーチュン』は『エーベルージュ』より500年前の時代設定となっています。

発売直後、富士通がゲーム業界から撤退したため、一時入手困難な状態となりました。しかし、ファンの熱心な署名運動が実を結び、2年後に廉価版とPS版が発売されることとなりました。

ファンタスティックフォーチュンシリーズは、2作とも3人のヒロインから主人公を選び、7人の攻略対象キャラクターと、ヒロイン別に用意された隠しキャラクターとの恋愛を楽しむことができます。主人公の選択によって、選ばれなかったヒロインのどちらかと友情エンディングを迎えることが可能です。ただし、無印版で主人公に「シルフィス」を選んだ場合のみ、恋愛エンディングが用意されています。

育成要素もありますが、ヒロインの個性が際立っており、プレイヤーの分身というよりも、物語を牽引する主人公としての側面が強く、ノベルゲームのようなシナリオ性が特徴です。それぞれのヒロインの視点を通して、物語を多角的に体験できます。

ストーリー

物語の舞台は、『エーベルージュ』から500年前の惑星ワーランド。カダローラ島にある小国・クライン王国を舞台に、クライン王国の王女ディアーナ、騎士見習いのシルフィス、現代日本から召喚された女子高生メイの3人から主人公を選択します。それぞれの主人公には目標があり、1年間をクラインで過ごします。王女としての成長を目指すディアーナ、元の世界に戻るために魔力を高めるメイ、騎士を目指し性別分化を望むシルフィス。隣国ダリスの情勢が不安定になる中、それぞれの目標を達成するのか、それとも恋を選ぶのか、プレイヤーの選択によって運命が左右されます。

登場人物

ディアーナ・エル・サークリッド: クライン王国の第二王女。おてんばで無邪気な性格。
シルフィス・カストリーズ: 騎士見習い。女神エーベの末裔であるアンヘル族の出身で、性別が未分化であることを悩んでいます。
藤原芽衣（メイ・フジワラ）: 現代日本から召喚された女子高生。元の世界に戻るため魔法の修行に励みます。
セイリオス・アル・サークリッド: クライン王国の皇太子。有能で人当たりが良いが、妹のディアーナには過保護。
シオン・カイナス: 王国一の魔法使い。皇太子セイリオスの幼馴染。
キール・セリアン: 魔法研究院の学生。メイを召喚してしまった責任を感じ、保護者となります。
レオニス・クレベール: 王宮の近衛騎士。寡黙でストイックな剣士で、シルフィスの保護者的存在です。
アイシュ・セリアン: 宮廷の文官。キールの双子の兄。
ガゼル・ターナ: 騎士見習い。レオニスを尊敬しています。
イーリス・アヴニール: 流しの吟遊詩人。シオンの悪友です。
アルムレディン・レイノルド・ダリス: ダリス王国の元皇太子。ディアーナの正規ルートで結ばれるキャラクター。
エルディーア / ノーチェ: シルフィス用の隠しキャラクター。ワーランドの最大宗教エーベの神殿の女司祭。
レーティス: ディアーナ用の隠しキャラクター。別名北の魔王。
リュクセル・フォン・ブラウエン: メイ用の隠しキャラクター。クライン王国の名家・ブラウエン家の跡取り息子。

歴史

1998年 11月27日: Windows 95/98用ソフトとして富士通より発売
2000年 8月25日: PCゲームBestシリーズ Vol.32として廉価版がサイバーフロントより発売
2001年 5月24日: プレイステーション用ソフトとしてサイバーフロントより発売

主題歌

オープニングテーマ: 「Fantastic Fortune」歌: 茶山莉子
エンディングテーマ: 「風の向こうへ…」/「Don't Lose Your Smile」歌: 茶山莉子

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ファンタスティックフォーチュンデジタルコレクション「フォーチュナー」 (2001年 3月30日発売)

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