ファンタスティック・ワールド

『ファンタスティック・ワールド』は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン（USJ）のハリウッド・エリアでかつて開催されていた、屋外型のオリジナルミュージカルファンタジーショーです。2008年12月26日に惜しまれつつも公演を終了しました。

概要

このショー最大の特徴は、世界で初めて導入された、映像を投影可能な花びら型の可動式巨大ステージです。この革新的な舞台装置を駆使し、壮大なスケールのミュージカル・ファンタジーが繰り広げられました。USJの完全オリジナル作品として、ダイナミックな舞台演出と、観客を引き込むストーリー構成が魅力でした。

ショーのテーマソングには、人気デュオWaTの楽曲「時を越えて-Fantastic World-」が起用されました。感動的な音楽と映像、そしてパフォーマーたちの熱演が融合し、他に類を見ないエンターテインメントとして、多くのゲストに愛されました。

ストーリー

物語は、伝説の森に生まれたホワイトタイガーの兄妹、ホヌアとラニが、「いのちのゆりかご」の意味を探し求める旅に出ることから始まります。

旅の途中、二人は様々な出会いを経験します。大地を駆け巡る動物たちからは、「大地は小さな種を大きな森へと育てるお母さんのような存在である」と教えられ、空を舞う鳥たちからは、「空はいつもみんなを温かく見守るお父さんのような存在である」と教えられます。そして、海に生きる魚たちからは、「海はいつでも楽しく寄り添ってくれる友達のような存在である」と教えられます。しかし、ホヌアとラニは、なかなか「いのちのゆりかご」の意味を見つけることができません。

やがて、二人は光が全く届かない、まるで誰もいないかのように感じられる場所にたどり着きます。しかし、そこで目を凝らし、耳を澄ませてみると、様々な声が響いていることに気づきます。そこで二人が見つけたものとは一体何だったのでしょうか？そして、「いのちのゆりかご」の本当の意味とは……？

巨大可動式ステージ

ショーのために特別に設計された、特徴的なしずく型のステージ（PPU）が2つと、それらを繋ぐブリッジ型のステージ、合計3つのステージが使用されました。これらのステージは、ショーの開始時間になると、「スペース・ファンタジー・ザ・ライド」前に出現し、迫力満点の演出を繰り広げました。

連結されたステージの全幅は約47メートル、高さは約13メートルにも及びます。しずく型のステージには、それぞれ12枚の花びら型のペタルが備えられており、自由に動くように設計されていました。各ペタルには、約27万個ものLEDが取り付けられており、ショー中に色鮮やかな映像を映し出すことができました。

さらに、ペタルは約48度の角度で傾斜し、約8メートルの距離を移動することで、観客に迫力のある視覚効果を与えました。この革新的な巨大可動式ステージが、ショーの壮大な世界観を支えていたと言えるでしょう。

CD

パーク内では、『ファンタスティック・ワールド』の楽曲が収録されたCDが販売されていました。（現在は販売されていません）

ミュージカルナンバー

The Cradle of Life “いのちのゆりかご”
Earth “大地”
Sky “大空”
Ocean “海”
Fantastic World “ファンタスティック・ワールド”
You are not Alone “ユー・アー・ノット・アローン”

作曲家

アラン・リー・シルヴァ
ティモシー・ウィリアムズ
寺嶋民哉
村松崇継

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