ファンダンゴ (映画)

映画『ファンダンゴ』の概要

『ファンダンゴ』（Fandango）は、1985年に公開されたアメリカ映画で、スティーヴン・スピルバーグが主宰するアンブリン・エンターテインメントによって製作された初の作品です。映画のタイトルはメキシコの音楽のスタイルを指し、一般には「馬鹿騒ぎ」を意味します。

あらすじ

物語はベトナム戦争の終息期に設定されています。舞台はテキサス州の大学。卒業式を間近に控えた学生たちが集まる寮で、若者たちの思い出となるようなパーティが開かれています。その場で、ワグナーが婚約者のデビーとの結婚をやめると告げたことが発端となり、残りのメンバーガードナー、フィル、ドーマン、レスターは、戦争に従事する自分たちの最後の時間を楽しむために「馬鹿騒ぎ」を計画します。

ガードナーが「最後の馬鹿騒ぎをしよう」と提案し、彼らはフィルのキャデラックに乗ってメキシコ国境を目指して旅に出ます。しかし、車はガス欠や故障に見舞われ、仲間内で喧嘩が勃発します。ワグナーから「意気地なし」と呼ばれたフィルは、自分の勇気を証明するためにスカイダイビングに挑戦することになります。ところが、彼を乗せたセスナ機は非常に古く、ドアもなく、さらにはパラシュートの代わりに洗濯物が入っているという驚くべき事態が待ち受けています。フィルは恐怖の中、空に飛び出さざるを得なくなりますが、仲間たちの懸命な支えとトルーマンの冷静な判断により、無事に着地することができました。

その後、5人は旅を再開し、彼らの友情を象徴する「ドム」を埋めたリオグランデ川の近くへ向かいます。彼らは再会を喜び、お酒を交わしながらこれまでの思い出を語り合います。ガードナーはワグナーとデビーの結婚式を企画し、不安な生活基盤の中でも町の人々の協力を得て、式は見事に成功します。

トルーマンはデビーを空から迎えに行く途中、警察とのドッグファイトを展開しながらも、無事に式を支えます。式が終わると、ワグナーとデビーはフィルの車で新婚旅行に向かい、他の仲間たちもそれぞれ新たな未来に向けて旅立っていきます。最後には、ガードナーが丘の上で、一人酒を楽しむシーンで物語は締めくくられます。

主な登場人物

• - ガードナー（演：ケビン・コスナー）: グルーバーズのリーダーでプレイボーイ。デビーに未練があります。
• - フィル（演：ジャド・ネルソン）: グルーバーズのメンバー。軍に入隊する予定で、優秀な成績を収めています。
• - ワグナー（演：サム・ロバーズ）: 結婚を控えたグルーバーズの一員。
• - ドーマン（演：チャック・ブッシュ）: 巨漢で寡黙、将来は牧師になる予定。
• - レスター（演：ブライアン・チェザック）: 酒に酔いながらも仲間との時間を共にします。
• - デビー（演：スージー・エイミス）: ワグナーの婚約者。
• - トルーマン・スパークス（演：マーヴィン・J・マクインタイア）: スカイダイビングのインストラクターで、仲間の成功を助けます。

音楽の役割

映画の音楽もストーリーの一部を形成していて、エルトン・ジョンの「Saturday Night's Alright (For Fighting)」や、ブラインド・フェイスの「Can't Find My Way Home」などが使用されています。

まとめ

『ファンダンゴ』は、青春の葛藤や友人との絆、戦争に向き合う若者たちの姿を描いた作品であり、スティーヴン・スピルバーグのプロデュースが光る名作です。若者たちが束の間の自由を求めて繰り広げる冒険は、観る者に感動と共感を与えます。

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