ファントム・オブ・パラダイス

ファントム・オブ・パラダイス

1974年に公開された『ファントム・オブ・パラダイス』は、アメリカの映画界に衝撃を与えたロックンロール・ミュージカルです。この作品は、オペラ座の怪人やファウスト、ノートルダム・ド・パリ、ドリアン・グレイといった古典文学を元に、音楽とドラマを融合させた物語を展開します。また、1975年にはアボリアッツ国際ファンタスティック[[映画祭]]でグランプリを受賞し、世界中の映画愛好家の記憶に残る名作となりました。

物語の概要

物語は、デス・レコード社社長のスワンが、ロックの殿堂となる劇場「パラダイス」の開館に向けて、その主役となるシンガーを探すところから始まります。スワンの前に現れたのは、無名で天才的な音楽センスを持つウィンスロー・リーチです。彼は自身の楽曲をスワンに売り込もうとしますが、自身の努力だけではなく、彼の目に留まった女性歌手フェニックスの才能に期待を寄せていました。

しかし、物語はウィンスローにとって運命的な転機を迎えます。スワンはウィンスローの楽曲とフェニックスの権利を奪い取り、無実の罪で彼を投獄するのです。ウィンスローは獄中で、スワンが自身の曲を改変して販売しようとしている事実を知り、激怒します。脱獄した彼は、デス・レコード社に乗り込み、プレス機に頭を挟まれてしまうという惨劇を招くのです。

復讐の始まり

顔と声を失ったウィンスローは、ファントムと呼ばれる仮面の怪人として復讐を決意します。彼はジューシー・フルーツというバンドのリハーサルに爆弾を仕掛け、スワンとの対峙を果たしますが、スワンは逆に彼を契約者として迎え入れることに。同時にスワンは、ウィンスローにフェニックスの歌を伴う新たな楽曲を求めるのです。この契約が本当の悪魔的なものであることを知らず、ファントムは夢見た未来のために作曲を続けます。

しかし、スワンには全くその気がなく、下品なオカマロックシンガー「ビーフ」を新たな主役に据えていたことが露見します。裏切られたウィンスローは、スワンが抱える重大な秘密に気づき、彼の復讐劇は「パラダイス」劇場を舞台に繰り広げられることになります。彼は自らの命すらも顧みず、壮絶な行動に出るのです。

キャストとスタッフ

映画には、ウィンスロー役にウィリアム・フィンレイ、スワン役にポール・ウィリアムズ、フェニックス役にジェシカ・ハーパーが出演しています。また、スタッフには監督のブライアン・デ・パルマや製作のエドワード・R・プレスマン等が名を連ねています。音楽もポール・ウィリアムズによるもので、映画の雰囲気を一層引き立てています。

この映画は、音楽の力と暗闇に潜む人間の欲望を描き、観客に深い印象を与える作品です。ファントムの物語は、ただの復讐劇に留まらず、創作と愛、裏切りを絡めた深いテーマ性を持った作品として、ファンから愛され続けています。

もう一度検索