ファーガソン・ジェンキンス

ファーガソン・アーサー・ジェンキンスの生涯と業績

ファーガソン・アーサー・ジェンキンス（Ferguson Arthur Jenkins, 1942年12月13日 - ）は、カナダ・オンタリオ州出身の伝説的なプロ野球選手で、特に投手としての功績で知られています。彼は1962年にフィラデルフィア・フィリーズと契約し、そこから彼の輝かしいメジャーリーグキャリアがスタートしました。1965年9月10日にはメジャーデビューを果たし、その後1966年にシカゴ・カブスにトレードされました。このトレードが彼のキャリアを一変させ、カブスのエースとして様々な成果を上げることになります。

ジェンキンスは1967年から1972年の間に、なんと6年連続で20勝以上を記録するという偉業を達成しました。1971年には24勝13敗、防御率2.77という成績で名誉あるサイ・ヤング賞を受賞し、これはカブスの投手としてもカナダ人としても初の栄冠でした。彼の才能は、フィールド上でもその存在感を示し、時にはハーレム・グローブトロッターズのバスケットボールチームと並行してプレーするなど、様々なスポーツに挑戦する姿勢も評価されています。

1973年にはテキサス・レンジャーズにトレードされ、その年は14勝16敗と負け越しましたが、1974年には25勝12敗、防御率2.82を記録し、カムバック賞を獲得しました。この25勝は、今なおレンジャーズの球団記録として残っています。また、カナダの年間最優秀スポーツ選手に贈られるルー・マーシュ賞を野球選手として初めて受賞するという栄誉も手にしました。

その後、ボストン・レッドソックスや再びレンジャーズでプレーを続け、1967年から1980年の14年間にわたって毎年2桁勝利を挙げるという安定した成績を残しました。1980年にはボルチモア・オリオールズ戦で、史上4人目の両リーグ通算100勝を達成しました。1982年にはカブスに復帰し、同年7月25日のサンディエゴ・パドレス戦で史上7人目となる通算3000奪三振を達成しましたが、1984年のシーズン直前に戦力外となり、プロ野球選手としてのキャリアを終えることとなりました。

ジェンキンスは被本塁打にも苦しみ、年間被本塁打王となることが多く、通算で484本の被本塁打はMLB歴代3位という記録に残ります。それでも彼のピッチングスタイルと才能は多くのファンに愛され、1987年にはカナダ野球殿堂にも選ばれました。さらに、1991年にはカナダ人選手として初めてアメリカ野球殿堂に名を刻むこととなります。

2003年にはカナダ初のプロ野球リーグである「カナディアン・ベースボール・リーグ」を創設しましたが、残念ながら観客動員が振るわず、途中で打ち切られました。2009年には彼の古巣カブスが、彼と同じ背番号『31』をつけていたグレッグ・マダックスを永久欠番に指定し、これに併せてジェンキンスも同様に永久欠番に指定されました。このことは、メジャーリーグ史上4組目の事例となります。

ファーガソン・アーサー・ジェンキンスは、野球界において彼自身の記録とともに数々の歴史を刻み続けています。彼の情熱と労苦は、カナダだけでなく全世界の野球ファンに影響を与え続けています。

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