フアン・アントニオ・フレチャ

フアン・アントニオ・フレチャ：クラシックレースを沸かせたルーラー

フアン・アントニオ・フレチャ（Juan Antonio Flecha、1977年9月17日生まれ）は、アルゼンチンのブエノスアイレス出身で、後にスペイン国籍を取得した元自転車競技選手です。彼はロードレース、特にワンデイレースのスペシャリストとして知られ、数多くのクラシックレースで活躍しました。2013年に現役を引退。

プロとしてのキャリア

フレチャは2000年にリラックス・フエンラブラダでプロデビューを果たしました。2001年には、GP・インテルナティオナル・コルテス＝ミツビシで総合優勝するなど、早くからその才能を発揮しました。

2003年、iバネスト.com在籍時にツール・ド・フランスに初出場。第11ステージで見事な逃げ切り勝利を飾り、一躍脚光を浴びました。この勝利の際、彼がゴール時に見せた弓を引くポーズは、自身の名前「フレチャ（矢）」にちなんだもので、大きな話題となりました。

その後、ファッサボルトロへ移籍した2004年には、チューリッヒ選手権とジロ・デル・ラツィオで優勝。2005年には、ヘント〜ウェヴェルヘムで2位、パリ〜ルーベで3位と、クラシックレースでの実績を積み重ねました。

ラボバンクへ移籍後の2006年には、パリ〜ルーベで4位、GP西フランス・プルエーで2位に入るなど安定した成績を残しました。2007年のパリ〜ルーベでは2位となり、念願の勝利まであと一歩でした。

2008年には、ロンド・ファン・フラーンデレンで3位に入賞。2010年には、チーム・スカイへ移籍し、オムロープ・ヘット・ニウスブラートで優勝を果たしました。同年、パリ〜ルーベでも3位に入っています。

2012年のツアー・オブ・カタールでは総合3位、オムロープ・ヘット・ニウスブラットで3位、パリ〜ルーベで4位という成績を残しました。

2013年は、ヘント〜ウェヴェルヘムで5位、パリ〜ルーベで8位。また、ツール・ド・フランス第12ステージでは敢闘賞を獲得しました。

エピソード

フレチャはそのレーススタイルだけでなく、数々のエピソードでも知られています。

2005年のヘント〜ウェヴェルヘムでは、ニコ・マッタンにラスト300mで追い抜かれ2位に終わりましたが、マッタンが審判車とニュートラルカーのドラフティングを利用した疑惑が浮上。しかし、結果は覆りませんでした。
2008年のブエルタ・ア・エスパーニャでは、シカの頭をかぶり星条旗を担いで併走していたファンから星条旗を奪い取り捨てるというパフォーマンスを披露し、観客を沸かせました。
2011年のツール・ド・フランス第9ステージでは、中継車に追突される事故に巻き込まれましたが、レースに復帰し完走しました。
石畳のレースを得意とし、「スペイン生まれのベルギー人」と呼ばれることもありました。
* 2013年のツール・ド・フランス第1ステージでは、逃げ集団をプロトンに近づける「フレチャ・スペシャル」と呼ばれる戦術を試み、話題を呼びました。


フアン・アントニオ・フレチャは、その実力と個性的なキャラクターで、多くのファンを魅了した名選手でした。

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