フィックス・ユー

「フィックス・ユー」（Fix You）は、イギリスのオルタナティヴ・ロック・バンド、コールドプレイが2005年6月に発表したアルバム『X&Y』に収録された楽曲です。同年9月には、アルバムからのセカンド・シングルとしてリリースされ、世界中で広く知られるようになりました。

ボーカリストのクリス・マーティンは、この曲でキーボードを演奏しており、ライブでも弾き語りを披露しています。レコーディングで使用されたキーボードは、彼の妻であるグウィネス・パルトローが彼女の父親から譲り受けたものだというエピソードがあります。

「フィックス・ユー」は、アルバムのリリースに先駆け、2005年5月21日に放送されたテレビ番組『サタデー・ナイト・ライブ』で初披露されました。

リリース

ミュージック・ビデオは、以前に「トラブル」（2000年）を手掛けたソフィー・ミュラーが監督しました。

9月にリリースされたシングルには、アルバム未収録曲「ザ・ワールド・ターンド・アップサイド・ダウン」がカップリング曲として収録されました。日本では、9月7日に2曲入りのセキュアCDシングルとして発売されました。

イギリス盤CDマキシ・シングルには、ハリウッド・ボウルで録音された「Pour Me」のライブ音源と、「フィックス・ユー」のミュージック・ビデオが追加収録されました。アメリカでは、ハリケーン・カトリーナの被害者を支援するためのチャリティー・シングルが9月14日にiTunesで配信され、「Pour Me」のライブ音源に加えて、アーネム公演で録音された「フィックス・ユー」のライブ音源も収録されました。

反響と評価

「フィックス・ユー」は、バンドの母国イギリスでは、2005年9月17日付の全英シングルチャートで初登場4位を記録し、その後25週連続でトップ100にランクインしました。2008年以降もチャートインを繰り返し、2011年には合計14週トップ100入りを果たしました。アメリカでは、Billboard Hot 100で59位に達し、『ビルボード』誌のモダン・ロック・チャートでは18位、アダルト・トップ40では24位を記録しました。

イギリスの音楽雑誌『NME』は、「彼らが普段用いる静寂と爆音のダイナミズムと比較して、より洗練され、賛美歌のようであり、そして非常に魅力的だ」と評価しました。

他メディアでの使用例

この楽曲は、アメリカ映画『トラブル・マリッジ カレと私とデュプリーの場合』（2006年公開）のサウンドトラックで使用されました。また、日本では、テレビ番組『SHOWBIZ COUNTDOWN』のオープニングテーマとして使用された時期があります。

カバー

「フィックス・ユー」は、様々なアーティストによってカバーされています。

ミュージック・マターズ・フォー・ジャパン: 2011年5月、シンガポールで開催されたカンファレンス「第6回ミュージック・マターズ」において、18カ国から参加した49組のアーティストが、東日本大震災の被災者支援のために「フィックス・ユー」をカバーしました。このチャリティー・プロジェクトには、シンプル・プラン、ディーズ・キッズ・ウェア・クラウンズ、宮澤佑門などが参加し、2011年6月28日にiTunesでシングルとして配信されました。
ヤング@ハート: 映画『ヤング@ハート』（2007年）の劇中で、フレッド・ニトルを中心に歌われ、サウンドトラック・アルバムにも収録されました。
ロナン・パーク: アルバム『Ronan Parke』（2011年）に収録。
マシュー・モリソン: テレビドラマ『glee/グリー』シーズン3のエピソード「Asian F」（2011年10月放送）の劇中で歌われ、アルバム『Glee: The Music, Vol. 7』にも収録されました。

「フィックス・ユー」は、その感動的なメロディーと歌詞で、多くの人々に希望と癒しを与え続けている楽曲です。

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