フィニアンの虹

『フィニアンの虹』について

『フィニアンの虹』（フィニアンのにじ、Finian's Rainbow）は1947年にブロードウェイで初演されたミュージカルで、その後1968年に映画化されました。この作品は、独特のストーリーと音楽で時代を超えて愛され続けています。

舞台の歴史

本作は1947年1月にブロードウェイで初めて上演され、725回ものロングラン公演を記録しました。この公演数は、後に『マイ・フェア・レディ』に破られるまで、ブロードウェイ史上最多でした。

映画制作

その後、22年が経った1968年8月に映画が公開されました。プロデューサーのジョセフ・ランドンは、新たな世代の感性を反映させるべく、当時28歳のフランシス・フォード・コッポラを監督に選びました。コッポラは、個性豊かなスタッフを配置しつつも、彼自身はミュージカル映画の撮影に大学時代の友人であるジョージ・ルーカスの助けを得ていました。

主要キャストにはペトゥラ・クラークやトミー・スティールといった人気スターが名を連ねる一方、フレッド・アステアやキーナン・ウィンのような大ベテランも重要な役どころを担いました。68歳だったアステアにとって、本作は長い間の空白を経て最後のミュージカル映画出演となりました。

コッポラは自身の音楽的背景を活かしながら、オリジナルの楽曲を尊重しつつ映画独自のアレンジを施しました。しかし、映画の長さを考慮すると、削除された曲も存在しました。また、映画のテンポ感や編集スタイルは、リチャード・レスターのビートルズ映画の影響がみられます。

脚本と制作の苦悩

このミュージカルは20年前の社会問題を風刺した内容ですが、そのため脚本にはかなりの工夫が加えられました。コッポラはロケーションでの撮影を重視していましたが、予算の制約からサポートを削減し、過去の映画のセットを再利用する必要がありました。また、時代に合わないと評価された振付師は途中で解雇され、最終的には無名の振付師やコッポラ自身が振付けを行いました。

コッポラは初の大作監督としてのプレッシャーを感じ、制作過程での制約に苦しみました。完成した映画を初めて見た際には、その冗長性と舞台調な雰囲気に恥じらい、以後の映画制作では編集に関与することを誓いました。

日本での公開

日本では1969年3月15日に公開され、弘田三枝子が歌う主題歌「虹に瞳を」が流れました。しかし、期待された評価には至らず、売り上げも伸び悩む結果となりました。時代背景を反映しつつ、一方で普遍的なテーマを持つ本作は、数多くの観客に感動を与えることができる作品となっています。

ストーリー概要

物語はアメリカのミシタッキー州の「レインボー・バレー」が舞台です。アイルランド人のフィニアン・マクローナガンとその娘シャロンが金の壷を求めてこの土地にやってきました。彼は金本位制を信じ、金の壷を埋めることで富を得ようと考えますが、その壷には3つの願いを叶える妖精の力が秘められていたのです。さまざまな運命に翻弄される中で、キャラクターたちは成長し、愛や理解を深めていきます。この物語には、差別や成長のテーマが巧みに織り込まれており、ミュージカルならではの魅力が満載です。

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