フィフス・ウェイブ

『フィフス・ウェイブ』（原題: The 5th Wave）は、2016年に制作されたアメリカのSFスリラー映画で、リック・ヤンシーの同名小説を原作としています。この作品は、突然現れた異星人による人類への脅威を描いており、特に主人公キャシーの成長と動きが引き立っています。

あらすじ

映画の物語は、ある日異星人の宇宙船が地球に現れるところから始まります。その異星人を《アザーズ》と呼ぶようになった人類は、最初は何の行動も示さなかったものの、10日後から容赦ない攻撃を開始します。最初の攻撃は「電子パルス」であり、これにより電子機器が壊滅的な影響を受け、文明が崩壊を始めます。次に続く第二波では地殻変動が引き起こされ、多くの都市が水に沈みました。さらに第三波では致死率の高い感染症が広まり、地球上の人口の大半が失われてしまいます。

物語の中心となるキャシーは、母を疫病で亡くし、父と弟のサムと共に難民キャンプに避難します。彼女は、そのキャンプで遭遇するヴォーシュ大佐の指導の下、兄弟が空軍基地に避難する際に見送ることとなります。しかし、キャシーはサムの忘れ物を取りに戻ったことで置き去りにされます。残された大人たちは不穏な動きにさらされ、やがて銃撃戦が巻き起こります。悲しみに暮れたキャシーは、孤独と共に助けを求める旅に出ます。

中盤

空軍基地では、到着した子供たちが寄生検査を受けることになります。そこにはキャシーのクラスメートであるベンもおり、彼は感染症で家族を失った経験を持っています。この基地では、寄生された人間を殺す必要があるという厳しい現実が待ち受けていました。これを受け、彼は少年を犠牲にすることになりますが、物語は彼の成長や倫理的葛藤も描いています。

キャシーはサムを探し、空軍基地への道を急ぎますが、途中で傷を負って倒れ、見知らぬ民家でエヴァンに助けられます。エヴァンはキャシーに《アザーズ》に関する情報を提供し、彼女が基地に向かう手助けをする決意を固めます。接触を深めるにつれ、キャシーは彼に心を開いていきます。

終盤

その頃、空軍基地では《アザーズ》による総攻撃が始まり、ベンや他の仲間たちが戦闘に参加するために出撃します。しかし、彼がサムを置いていくこととなり、複雑な事情が絡み合います。戦闘が進む中で、仲間たちが寄生者として判断される場面や、非情な命令に反発する様子が描かれ、不安定な状況が続きます。

キャシーが基地に侵入し、サムを救出する計画を立てる中、数々の爆破事件が発生し、懸命な脱出劇が繰り広げられます。エヴァンは意外な正体を明かし、彼の過去と使命、そしてキャシーへの思いが交錯します。

ラスト

最終的に、キャシーはサムと再会し、仲間たちと合流して新たな希望を見出します。物語は、彼らが多くの困難を乗り越え、絶望の中にも未来へ向かう姿で締めくくられます。

登場人物

- キャシー・サリヴァン - クロエ・グレース・モレッツ（沢城みゆき）

- 主人公であり、家族のために戦います。

- ベン・パリッシュ - ニック・ロビンソン（木村良平）

- キャシーの友人で、訓練後にリーダーとなります。

- エヴァン・ウォーカー - アレックス・ロー（小松史法）

- キャシーを助ける謎の青年。

- サム・サリヴァン - ザカリー・アーサー（平井祥恵）

- キャシーの弟で、危険な目に遭います。

製作の背景

この映画は、リック・ヤンシーの小説を映画化するために2012年に企画され、2014年に撮影が行われました。撮影は主にジョージア州アトランタで行われ、作品全体にリアリティを持たせています。音楽はヘンリー・ジャックマンが手掛け、緊張感のあるシーンにより深みを与えています。

公開日は2016年 1月22日に設定され、観客に強い印象を与える作品として評価されました。

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