フィリピン進歩党

フィリピン進歩党の概要

フィリピン進歩党（Progressive Party of the Philippines、略称PPP）は、1950年代後半から1960年代にかけて存在したフィリピンの改革主義政党です。この政党は、当時の二大政党である国民党（KBL）と自由党（LP）に対抗する第三の選択肢を提供しようとし、フィリピンの政治に一定の影響を与えました。1969年に解党したものの、その理念や影響は現代の政治にも続いています。

歴史的背景

1950年代の設立

フィリピン進歩党は、1957年にマヌエル・マナハンとラウル・マングラパスによって創設されました。両者は当時、フィリピン大統領ラモン・マグサイサイの下で重要な閣僚を務めていましたが、マグサイサイの不慮の死をきっかけに、国民党の新リーダーであるカルロス・P・ガルシア政権から冷遇されることになります。これに不満を持った国民党の一部メンバーが集まり、進歩党の設立に至りました。

1957年のフィリピン総選挙では、マナハンが進歩党の大統領候補として立候補し、ビセンテ・アラネタが副大統領候補となりました。しかし、結果は思わしくなく、マナハンはガルシアに敗北し、3位に終わります。アラネタもまた自由党のディオスダド・マカパガルに敗れ、進歩党は上院には議席を持てませんでした。

1959年の大同盟

1959年、進歩党は自由党と国民党を脱退したメンバーと連携し、大同盟を結成します。この選挙では、ガルシア政権下の腐敗や汚職を批判し、それが有権者の支持を集める要素となりました。結果として、国民党の議席は減少しました。

1960年代のさらなる挑戦

1961年には、進歩党が自由党との連合に参加し、再選を狙うガルシア大統領に対抗しました。自由党の副大統領候補に進歩党からエマニュエル・ペラエスが選出されました。進歩党のマングラパスとマナハンも上院に進出することができましたが、1965年の選挙では期待した成果を得られませんでした。

この時期、進歩党はフィリピン進歩党（Party for Philippine Progress）と改称し、若返りを図ることが試みられましたが、選挙ではフィルピンの新しいリーダーであるフェルディナンド・マルコスに敗れます。マングラパスはわずか5.17パーセント、マナハンは3.40パーセントにとどまりました。

解党とその影響

フィリピン進歩党は1969年に静かに解党しました。衰退はしたものの、同党の理念は今でもフィリピンの政治に影響を与えています。例えば、ラカス＝CMDという中道右派政党は進歩党を自党の先駆者と位置付けており、これは進歩党の初期メンバーであるマングラパスが関与していたためです。

進歩党の理念は、現代の政治家にも受け継がれており、政治的立場を問わず多くの後継者がその影響を受けています。元上院議員のラウル・ロコなどがその一例と言えるでしょう。

まとめ

フィリピン進歩党は、短命の政党であったものの、政治的な評価や理念は後の時代にも影響を及ぼしました。議会への議席を得ることは難しかったものの、国民の要求に応えようとしたその努力は、フィリピン政治の中で評価され続けています。

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