フィンガータット

フィンガータットとは

フィンガータットは、2008年頃からアメリカを中心に広まった、指をメインに使ったダンスのジャンルです。指で連続的に四角形を作ったり、ウェーブを表現したりする動きが特徴で、日本ではフィンガーダンスや指ダンスとも呼ばれています。

発祥と背景

フィンガータットの基礎となっているのは、タットダンスという、古代エジプトの象形文字を模倣したダンスです。タットダンスは、腕、手、指を細かく動かすのが特徴で、フィンガータットは、その動きを指や手首に特化させたものと言えます。つまり、フィンガータットとタットダンスは、深い繋がりを持っているのです。

フィンガータットがブームになったきっかけは、ロサンゼルスの若者グループ「Finger Circus」が公開した動画がヒットしたことや、テイラー・スウィフトの楽曲「シェイク・イット・オフ」のPVにフィンガータットの振り付けが一部採用されたことなどが挙げられます。

主なアーティスト

フィンガータットの世界には、数多くの才能あふれるアーティストが存在します。

Pnut（ピーナット）: Finger Circus所属。フィンガーダンス動画がYouTubeなどで拡散され、テイラー・スウィフトのPVにも出演。CM出演も多数。
JayFunk（ジェイファンク）: Finger Circus所属。映画「ドクター・ストレンジ」の監修・出演も務め、フィンガータットを基にした振り付けを考案。
Dytto（ディト）: アメリカの女性ダンサー。YouTubeで人気を集め、「World of Dance」などにも出演。CMにも多数出演。
NARI（ナリ）: Dark Matter所属。フィンガータットの国際的な大会で優勝経験があり、ゲスト出演も多数。CM・テレビ出演も多数。
RYOGA（リョウガ）: 日本のXTRAP所属。フィンガータットの国際的な大会で優勝し、ゲスト審査員も務める。テレビ出演も多数。
CTut（シータット）: Finger Circus所属。フェイスタッティングという応用ジャンルで話題を集める。
K.E.N-DIGIT（ケンディジット）: 日本のフィンガーダンスの動画で話題になる。CM・テレビ出演も多数。
Andrey Dragunov（アンドレイ・ドラグノフ）: ロシアのTV番組「Танцы на ТНТ」にフィンガータットで出演し、話題になる。難聴というハンディキャップを持つことでも知られる。
源元（ゲンゲン）: 日本のダンサー。フィンガータットの国際的な大会で優勝経験があり、ゲスト出演も多数。白濱亜嵐やKis-My-Ft2の振付も担当。

日本のシーン

日本でフィンガータットが広まったきっかけの一つは、前述のテイラー・スウィフトのPVでの知名度向上です。また、日本のアーティストPerfumeが振り付けに取り入れたことも、人気を後押ししました。

近年では、EXILEのNAOTOがダンスに取り入れたことで話題になるなど、フィンガータットは日本のダンスシーンにも浸透しつつあります。元々はロサンゼルスやボルチモアなどのアンダーグラウンドシーンで生まれたものですが、Finger CircusのPnutやDyttoの日本での報道や、日本のダンスグループXTRAPのテレビ出演などにより、一般層にも認知され始めています。

主なイベント

フィンガータットの技術を競い合うイベントも、国内外で開催されています。

海外

AXIOM All Styles Finger Contest（アメリカ）：DarkMatterSquad主催の国際的な大会。CTutやPnutなどが審査員を務める。
Dexterity Dance League（アメリカ）：Finger Circus主催の国際的な大会。Pnut、JSmooth、RYOGA、JayFunkなどが審査員を務める。

国内

ARMS：源元主催。CTut、Pnut、NARIなどをゲストに迎える。
LOUD MINORITY：DANCE DELIGHT主催。

主なフィンガータットのジャンル

フィンガータットには、様々なジャンルがあります。

Finger Tutting (フィンガータット)：四角形や角度のある指・手首の動きをメインとしたダンス。他のジャンルの総称としても使われる。
Digits/Digitz（ディジッツ）: 指で音の流れを表現するウェーブなどのダンス。地域によって表記が異なり、LIQUID (リキット)とも呼ばれる。
Finger Connect（フィンガーコネクト）: REMOTE（リモート）という指を操作する表現を使った応用ジャンル。
Face Tutting（フェイス タッティング）: フィンガータットを顔の形に沿って動かす応用ジャンル。
Finger Thread（フィンガースレード）: 指の輪を作り、指の間を通すなどの応用ジャンル。
* Gloving（グロービング）: LED搭載のグローブを使った応用ジャンル。

フィンガータットは、指先一つで無限の表現を可能にする、奥深いダンスの世界です。

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