フィンバック (潜水艦)

フィンバック（USS Finback, SS-230）

フィンバックはアメリカ海軍の潜水艦であり、ガトー級の一隻です。その名はナガスクジラに由来し、艦歴においては特に第二次世界大戦中の活躍が際立っています。また、退役後の1984年にはスタージョン級の原子力潜水艦として2代目の「フィンバック（SSN-670）」が就役しました。

艦歴

フィンバックは1941年2月5日にメイン州キタリーのポーツマス海軍工廠で起工され、同年8月25日に進水しました。艦長にはジェシー・L・ハル少佐が就任し、1942年1月31日に艦としての運用を開始します。ニューロンドンから太平洋戦線に派遣され、5月29日には真珠湾に到着し、そこでミッドウェー海戦に参加しました。この経験を経て、フィンバックは終戦に至るまで12回の哨戒任務を遂行しました。

第1、第2の哨戒（1942年6月 - 11月）

最初の哨戒ではアリューシャン列島へ向かい、敵艦と接触して魚雷攻撃を行います。7月5日、接触した駆逐艦に対して魚雷を発射し、8月には調査チームを上陸させる活動も行いました。次の09月には東シナ海へ移動し、複数の輸送船団に対して攻撃を成功させるなど、フィンバックの艦隊は戦闘において好成績を収めました。

第3、第4の哨戒（1942年12月 - 1943年4月）

1942年12月、フィンバックは3回目の哨戒に出発し、東シナ海で掃海艇との交戦を行います。続く4回目の哨戒では特設運送艦に対し、成功した攻撃がありますが、敵大型艦の発見がなかなか難しい状況が続きます。

第5、第6の哨戒（1943年5月 - 9月）

5月12日から始まった5回目の哨戒では、パラオ方面に向かい、敵艦船に対して火力を発揮します。一連の成功により、フィンバックは南西太平洋部隊へと移動し、新たな戦局での活動を開始しました。6月にはジャワ海での攻撃を繰り返し、戦果を挙げることに成功しました。

第7、第8の哨戒（1943年12月 - 1944年5月）

この期間もフィンバックは活発に行動を続け、特に1944年1月にはタンカーへの攻撃を敢行し成功した記録がありました。8回目の哨戒では搭乗員の救助活動も行い、フィリピン周辺の戦闘に参加しました。

第9、第10の哨戒（1944年5月 - 10月）

フィンバックはマリアナ諸島攻略において、搭乗員の救助任務が主な役割となりました。そして、9月1日には当時中尉だったジョージ・H・W・ブッシュを救助したことで有名です。彼の生還はフィンバックの名を歴史に刻んでいます。

第11、第12の哨戒（1944年11月 - 1945年3月）

1944年11月1日、フィンバックは11回目の哨戒に出発し、輸送船団への攻撃を試みますが、目立った成果は上げられませんでした。1945年1月、12回目の哨戒を行い、戦果の少なさを記録しています。

戦後の活動と退役

終戦を迎えたフィンバックは、ニューロンドンを拠点に潜水艦乗組員の訓練艦として機能していました。1950年に退役し、予備役艦として保管された後、1958年に除籍、最終的には1959年に解体されました。この艦は戦時中に66,000トン以上の敵艦を撃沈し、13個の従軍星章を受章しています。艦歴を通じて、フィンバックはアメリカ海軍の潜水艦部隊における多大な貢献を果たしました。

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