フィンランド赤十字社

フィンランド赤十字社（FRC）について

フィンランド赤十字社（Suomen Punainen Risti、略称FRC）は、国際赤十字運動に加盟するフィンランドの赤十字団体です。人道的な支援を目的とし、国内では約9万人の会員と約4万5千人のボランティアが活動しています。

組織体制

FRCは、地域支部、州本部、中央本部の三層構造で組織されています。すべての層でボランティアが重要な意思決定に関わっており、地域支部レベルの活動は、メンバー自身がどのように貢献するかを決定できます。全国のすべての自治体に支部が存在し、地域に根ざした活動を展開しています。

歴史

1877年5月7日、露土戦争におけるフィンランド防衛軍の傷病者救護のために設立されました。1920年に国際赤十字委員会（ICRC）に承認され、1921年にはICRCのメンバーとなりました。同時に、フィンランドはジュネーブ条約を全て批准しました。

1948年には、1935年から行われていたフィンランド偵察隊による輸血の責任を引き継ぎました。

国内活動

FRCは、国家の健康サービスを補完する重要な機関として、以下の活動を行っています。

献血サービス: 国内3つの州に病院を所有し、安定的な血液供給を支えています。
エイズ対策: AIDSヘルプラインを設け、HIV患者とその家族に対する教育、支援活動を行っています。また、エイズに関する啓発キャンペーンも実施しています。
薬物・アルコール対策: 薬物やアルコール問題への対策として、防止と早期治療を推進しています。学校カウンセラーやボランティアコミュニティを活用し、問題解決に努めています。
ハンガーデイ: 毎年秋に「ハンガーデイ（Nälkäpäivä）」として募金活動を実施しています。飢餓問題への意識を高め、寄付を募るこの活動は、毎年異なるテーマを設定し、問題解決に取り組んでいます。
応急救護訓練: 企業や一般向けに、有料で応急救護や心肺蘇生法などの訓練を実施しています。年間約8万人がこの訓練を受けており、訓練を受けたボランティアは、国内の様々なイベントで救護活動を行っています。
災害救助: 全国に8000人の応急救護ボランティアを組織し、災害時には捜索救難活動にも参加します。
国立緊急精神グループ: ヨケラ高校銃乱射事件のような緊急事態発生時には、被災者が必要とする精神社会的なサポートを提供します。
災害救済基金: 事故や社会的な理由で困窮した人々への援助を提供するため、災害救済基金を設けています。

国外活動

FRCは、国際組織からの提言に基づき、国際協力活動も行っています。資金源は、フィンランド赤十字災害救済基金やフィンランド政府からの拠出金、最近ではEUからの資金提供も受けています。

災害救援: 戦争や内戦、自然災害の犠牲者に対する人道的支援を行っています。災害発生時の緊急支援だけでなく、防災能力の向上や防災準備の促進にも力を入れています。
予備人的資源: 約600人の訓練された人員を擁し、国際的な救援活動に派遣しています。毎年約100人が国際任務に従事しています。
* 難民支援: 難民の欧州理事会を組織し、難民問題にも取り組んでいます。

FRCは、国内外を問わず、人道的な支援活動を幅広く展開しています。

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