フィンレイソンリス

フィンレイソンリスの概要

フィンレイソンリスは、ネズミ目のリス科に属し、主にカンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナムといった東南アジアの地域に分布しています。このリスは、美しい毛色と独特な生態で知られています。

形態

このリスの体長は約20cm、尾の長さも同様に約20cmです。また、体重は通常250gから350gの範囲です。特徴的なのは、毛色のバリエーションです。フィンレイソンリスはベージュ、黒、白、茶、グレーと多様な色を持ち、原産地では13から17種の亜種が確認されています。亜種に変色種が見られる理由は未解明です。頬袋はなく、アリクイに似た長い舌を持ち、これを使用して蜜やココナッツの汁を吸う特異な行動を行います。

生態

食性については、フィンレイソンリスは主に樹皮や樹液、種子、果実、新芽、花などの植物を食べることが多いですが、時には昆虫やキノコも食べることがあります。性格は好奇心旺盛である一方、警戒心が非常に強く、クールな印象を与える個体が多いです。人に寄り添うことができる個体も存在しますが、臆病なため体に触れるのは難しいです。中には手乗りになる個体も報告されています。寿命については、野生では平均7年、飼育下では平均12年と、ペットとして長生きする傾向があります。これは飼育下で栄養のある食事と安全な環境が提供されるためと考えられています。

人間との関わり

日本国内ではペットとして人気がありましたが、2005年に未判定外来生物に指定されたため、個体の輸入がほぼ停止しています。それ以前に輸入された個体は、個人の飼育や動物園で飼われていました。たとえば、埼玉県こども動物自然公園では飼育が続けられています。さらに、2013年には特定外来生物に認定されました。

国内での定着例は確認されていませんが、静岡県浜松市でフィンレイソンリスまたはそのクロス種と思われるリスが発見されたことがあります。飼育する際は、広い縦長のケージと木箱の巣が重要です。十分なスペースがないと運動不足になりやすく、ケージ内での動きに制約が生じる恐れがあります。食事の時間帯は主に朝と夕方で、昼間は多くの場合休息をとります。フィンレイソンリスは夜行性ではなく、適温は約30度で10度以下になると生存が難しくなるため、注意が必要です。

また、フィンレイソンリスはシンガポールの街中で目撃されたり、南イタリアで飼われていた個体が逃げ、そこで野生化した事例もあります。タイのアユタヤにある日本人町跡の公園では、餌付けされた野生のフィンレイソンリスを観察することができる仕組みが整っています。彼らの独特の生活様式や魅力を体験することができる貴重な場所となっています。

結論

フィンレイソンリスは、その外見と生態が魅力的であり、ペットとして多くの人に愛されています。しかし、飼育の際にはその特性を十分理解し、適切な環境を整えることが欠かせません。

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