フィールドテスト

フィールドテストとは

フィールドテストとは、日本において経済価値ベースのソルベンシー規制を導入するにあたり、その影響を調査するために実施されたものです。このテストは、保険会社の財務状況をより正確に把握し、リスク管理を高度化することを目的としています。

欧州のソルベンシーIIとの関連性

フィールドテストの内容は、欧州連合（EU）で導入されているソルベンシーIIという保険会社の新しい規制枠組みと関連があることが指摘されています。ソルベンシーIIは、保険会社の支払能力を評価する際に、時価評価に基づいた経済価値を用いることを特徴としており、フィールドテストも同様の考え方に基づいて実施されました。

実施結果の公表

フィールドテストの実施結果は、2011年5月24日に公表されました。この結果は、今後のソルベンシー規制導入に向けた検討に活用されることとなりました。

フィールドテストの趣旨

金融庁によると、フィールドテストを実施する主な趣旨は以下の通りです。

経済価値ベースのソルベンシー規制の重要性: 経済価値ベースのソルベンシー規制は、資産と負債を一体的に時価評価することで、保険会社の財務状況を的確に把握し、リスク管理を高度化する上で非常に重要なものです。近年、国際的にも、保険監督者国際機構（IAIS）などで導入に向けた検討が進められています。
日本の監督方針: 日本においても、平成21年度の保険会社等向けの監督方針において、「保険会社の実態を十分に把握しつつ、導入について検討を進めていく」という方針が示されていました。
* 実務上の問題点の抽出: このような状況を踏まえ、各保険会社が試行的に経済価値ベースの保険負債などを計算するフィールドテストを実施し、各社の対応状況を把握するとともに、その過程で明らかになった実務上の問題点を今後の導入に向けた検討に活かすことが目的とされました。

フィールドテストの具体的な目的

フィールドテストの具体的な目的は以下の通りです。

1. 保険会社の対応状況の把握: 各保険会社が経済価値ベースのソルベンシー規制に対して、どの程度対応できているかを把握すること。
2. 実務上の問題点の抽出: 経済価値ベースの評価を実際に行う際に、どのような問題点が発生するかを把握し、今後の制度設計に役立てること。
3. 規制導入に向けた準備: 実際に制度を導入するにあたって、必要な準備や課題を洗い出すこと。

まとめ

フィールドテストは、日本における経済価値ベースのソルベンシー規制導入に向けた重要なステップであり、保険会社の財務の健全性を確保し、リスク管理を高度化するための取り組みです。このテストの結果は、今後の規制設計に大きな影響を与えるものと考えられます。

もう一度検索