フェアモント・ホテルズ・アンド・リゾーツ

フェアモント・ホテル・アンド・リゾーツは、アコー傘下のフェアモント・ラッフルズ・ホテルズ・インターナショナルに属する、世界的な高級ホテルチェーンです。約70のホテルを世界各地で展開し、その洗練されたサービスと格式高い雰囲気で、多くの旅行者を魅了しています。

歴史

フェアモント・ホテル・アンド・リゾーツの歴史は、19世紀末から20世紀初頭にかけてのカナダに始まります。カナダ太平洋鉄道が、カナダの観光振興を目的として「カナディアン・パシフィック・ホテルズ」を設立し、シャトー・フロンテナックやバンフ・スプリングス・ホテルといった、現在も名高いホテルを建設・運営しました。これらのホテルは、カナダの壮大な自然と調和した美しい外観と、贅を尽くした内装で、国内外からの旅行者を魅了しました。

一方、アメリカでは1907年にサンフランシスコでフェアモント・ホテルが開業しました。その後、フェアモント・ホテルズとして、ニューオーリンズやボストンなど、アメリカ国内で7つのホテルを運営していました。これらのホテルは、それぞれの都市の文化や歴史を反映した、個性的なデザインとサービスを提供していました。

1999年、カナダのカナディアン・パシフィック・ホテルズは、アメリカのフェアモント・ホテルズを買収し、グループ名をフェアモント・ホテルズ・アンド・リゾーツに変更しました。買収先のホテル名がグループ名に採用されたのは、アメリカや海外での国際的なホテル展開を視野に入れた戦略でした。この買収により、フェアモント・ホテルズ・アンド・リゾーツは、北米を代表するホテルチェーンとしての地位を確立しました。

その後、ニューヨークのプラザホテル、ロンドンのサボイ・ホテル、上海の和平飯店など、世界の主要都市にある名門ホテルを次々と買収し、傘下に収めました。これらのホテルは、それぞれが長い歴史と伝統を持ち、各都市のランドマークとして知られています。フェアモント・ホテルズ・アンド・リゾーツは、これらのホテルを買収することで、グローバルな高級ホテルチェーンとしての地位をさらに強固なものとしました。

2006年1月、フェアモント・ホテルズ・アンド・リゾーツは、サウジアラビアのアル・ワリード王子が所有するキングダム・ホールディング・カンパニーと、アメリカ・ロサンゼルスの投資会社コロニー・キャピタルが共同で設立した「キングダム・ホテルズ・インターナショナル」によって買収され、その傘下に入りました。同年5月には、同じくキングダム・ホテルズ・インターナショナルが、シンガポールに本部を置く「ラッフルズ・インターナショナル」を買収しました。これにより、キングダム・ホテルズ・インターナショナルは「フェアモント・ラッフルズ・ホテルズ・インターナショナル（FRHI）」に社名を変更しました。

2010年4月、キングダム・ホールディング・カンパニーは、FRHIの40%の株式をボイジャー・パートナーズ社とカタールの投資公社QDホテル&プロパティー社に売却し、QDHP社が筆頭株主となりました。その後、持株会社は何度か変更されていますが、フェアモント・ホテルズ・アンド・リゾーツは、現在もその名を冠したまま運営されています。

主なホテル

フェアモント・ホテル・アンド・リゾーツは、世界各地に数多くの名門ホテルを所有しています。以下はその一部です。

カナダ
ロイヤルヨークホテル（トロント）
シャトー・ローリエ（オタワ）
シャトー・フロンテナック（ケベック・シティ）
エンプレスホテル（ビクトリア）
バンフ・スプリングス・ホテル（バンフ）
アメリカ合衆国
フェアモント・サンフランシスコ
フェアモント・オーキッド・ホテル（ハワイ島）
プラザホテル（ニューヨーク）
イギリス
サボイ・ホテル（ロンドン）
中国
和平飯店（上海）

これらのホテルは、それぞれの地域を代表するランドマークとして、多くの旅行者に利用されています。フェアモント・ホテル・アンド・リゾーツは、今後も世界各地でホテル展開を続け、より多くの人々に最高の宿泊体験を提供することを目指しています。

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