フェアリィ空軍

フェアリイ空軍の概要

フェアリイ空軍（Fairy Air Force, FAF）は、神林長平のSF小説『戦闘妖精・雪風』シリーズに登場する架空の軍隊です。この組織は、突如出現した異星体ジャムによる侵略を受けて設立され、地球防衛のために戦う使命を担っています。

設立の背景

フェアリイ空軍は、初めてジャムが地球へと侵入した時期、国家間の対立が激化していました。国際連合のもとで結成された地球防衛機構がありましたが、フェアリイ星という未知の惑星が発見されたことで、各国がその支配権を巡って争い始めます。この争いから生じた混乱の中で、地球防衛機構は国連から独立し、超国家組織としてのFAFが創設されるに至りました。

さらに、食料の自給を禁止し、地球からの輸入に頼るという制約が設けられ、FAFは地球防衛に専念する体制を確立しました。

基地と組織構成

FAFの拠点は、フェアリイ星の超空間通路を中心に配置された六つの大型基地です。これらの基地には、シルヴァン、ブラウニィ、トロル、サイレーン、ヴァルキア、そしてフェアリイが含まれ、特にフェアリイ基地は全軍の中枢として重要な役割を果たします。

各基地の地下には、地域都市に匹敵する規模の居住エリアが広がっており、さらにこれに加えて複数の補給基地や戦略拠点も存在します。地球側にはFAFの本部が設置され、訓練施設や出張機関も各地に点在しています。

組織の階級と特殊性

フェアリイ空軍では、全ての人が軍人としての階級を持ち、最下級の階級は少尉です。この特殊な制度は、他国の軍隊とは異なり、軍人であるという特性が強調されています。階級の運用には柔軟性があり、現場では上官と部下の区別が不明瞭になることもあります。また、FAFでは特別な言語「FAF語」が使用され、合理的かつ簡潔なコミュニケーションが求められます。

特殊戦とその役割

FAF内で特に注目されるのが特殊戦です。特殊戦は、戦術空軍団に属し、高度な制御機体を保持しています。この部隊は、戦場での電子情報の収集を主な任務として活動しており、「必ず生還せよ」という厳しい命令が課されています。加えて、特殊戦のメンバーには冷徹な判断力が求められ、艦隊の他のメンバーを見捨てる場合もあるため、内部でも忌避されがちな存在です。

ジャムとの戦い

ジャムとは、FAFが直面する最大の脅威であり、その存在は謎に包まれています。彼らは地球防衛機構が結成された背景がある南極に出現し、そこから地球へと侵略を始めました。ジャムは視覚的にも認知されることが少なく、常に変化する外観がパイロットに大きな負担を与えます。この未知の敵に対抗するため、FAFは日々新しい戦術を模索し続けています。

現在の状況

フェアリイ戦争は、既に30年以上も続いており、地球とフェアリイ星の間での戦闘は終息の兆しを見せません。フェアリイ星の環境についても、多くの謎が残されており、原住生物や独特な地理条件がFAFの活動を困難にしています。フェアリイ空軍の戦士たちは、相手に備えながら日々緊張の中で任務を遂行しているのです。

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