フェスタス・モハエ

フェスタス・フォンテバーニェ・モハエ：ボツワナの発展に尽力した政治家

フェスタス・フォンテバーニェ・モハエ（Festus Gontebanye Mogae）は、1939年8月21日生まれ。ボツワナの政治家であり、同国の第3代大統領を務めました。

エリート官僚から大統領へ

イギリスのオックスフォード大学を卒業後、1966年のボツワナ独立後、1968年に開発計画省の企画官に就任。当時、独立前から働く白人官僚が多い中、数少ないボツワナ出身の大卒官僚として活躍しました。その後、1989年に蔵相、1992年には副大統領と順調に出世を重ね、1998年4月から2008年4月1日まで、大統領を2期務めました。

エイズ対策とダイヤモンド産業の推進

大統領在任中は、ボツワナ国内で深刻な問題となっていたエイズ対策に尽力。製薬会社への医療データ提供と引き換えに、治療薬の無償供給を実現するとともに、感染防止のための啓発活動にも力を入れました。

また、ダイヤモンド鉱山の共同開発を行っていたデビアスグループとの共同出資により、ダイヤモンド原石流通企業DTCボツワナを設立。退任直前の2008年3月18日には、開設式に出席しました。ダイヤモンド産業はボツワナ経済の重要な柱であり、モハエ大統領はその発展に大きく貢献したと言えるでしょう。

自然保護と少数民族政策

モハエ大統領は、国内の自然保護区拡大にも力を注ぎました。しかし、保護区内に居住する少数民族サン人に対する再居住政策を進めるにあたり、彼らへのインフラ供給を停止するなどの強硬策を取ったため、法廷闘争に発展。政府側が敗訴するという結果となりました。この政策は、モハエ大統領の功績における数少ない汚点として指摘されています。

退任後も続く社会貢献

大統領退任後の2008年10月、モ・イブラヒム賞を受賞。この賞は、アフリカの優れたリーダーシップを称えるものであり、モハエ大統領の功績が国際的に認められた証と言えるでしょう。

その後も、アフリカを代表する政治家として活動を継続。2017年現在、国際的な停戦監視団である「合同監視評価委員会（JMEC）」代表として、南スーダン内戦の鎮静化に尽力しています。2月には「さまざまな意図を持った武装集団が複雑に戦いに絡んでいることは南スーダンの内戦状況が複雑であることの証拠だ」と述べ、紛争解決の難しさを指摘しました。

フェスタス・モハエは、ボツワナの発展に大きく貢献した政治家であると同時に、退任後もアフリカの平和と安定のために尽力し続けています。

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