フェデックスカップ

フェデックスカップ (FedEx Cup)

フェデックスカップは、男子ゴルフPGAツアーにおけるシリーズトーナメントで、2005年に導入されました。このカップの最大の特徴は、選手たちが年間を通じてポイントを基に競い合い、その結果に応じて総合優勝者を決定するシステムです。スポンサーとしてフェデックスが関与しており、トーナメントの運営が行われています。

レギュラーシーズン

レギュラーシーズンは、1月に行われるザ・セントリーから始まり、8月のウィンダム選手権までの期間を指します。この間、選手たちは各大会での最終順位に応じてFedEx Cupポイントを獲得します。もし選手がカットラインに満たず最終日までプレーできなかった場合、原則として得られるポイントは0となります。

ポイント制度の中で、通常のトーナメントでは優勝者は500ポイントを獲得しますが、メジャー大会やプレーヤーズ選手権では750ポイント、シグネチャーイベントでは700ポイントが与えられます。特にチューリッヒ・クラシックでは400ポイント、全英オープンやWGCが開催される週には300ポイントが授与されます。

シーズン終了後、ポイント上位者にはボーナス賞金が授与され、特に1位には800万米ドルが付与されます。さらに、上位70位に入った選手はフェデックスカップ・プレーオフへの進出権を得ると共に、次シーズンのPGAツアーシード権を獲得します。特に2017-18シーズン以降は、最終戦「ザ・ツアーチャンピオンシップ」優勝者がそのままフェデックスカップ総合優勝者となり、PGA賞金王に輝くことができるようになります。

プレーオフ

フェデックスカップ・プレーオフはサバイバル形式で行われ、全3戦で構成されています。第1戦と第2戦では、ポイントが下位の選手から順にカットされ、上位の選手だけが次戦に進む仕組みになっています。シーズンの総合優勝は最終戦の『ツアー選手権』で決定します。2017-18シーズンまで、デルテクノロジーズ選手権（旧ドイツ銀行選手権）もプレーオフの一部として含まれていました。

プレーオフの第2戦までは、通常のレギュラーシリーズよりも数倍のポイントが与えられ、ランキングの大きな変動が期待できます。ツアー選手権では、これまでのポイントランクに基づき、初日のスタート時に最大10ストロークの差を持って開始する形式です。この大会の勝者は自動的にフェデックスカップの総合優勝を手に入れ、賞金2500万ドルとともに5年間のPGAツアーシード権も授与されます。2017-18シーズンまでのルールでは、ツアー選手権の優勝者がプレーオフシリーズ総合優勝者になるとは限りませんでした。

ポイントリセットについて

これまでのポイントリセットは、2007年と2008年のウィンダム選手権後に行われていました。ポイント1位を10万点としてスタートし、他の選手に数百点差をつける形でした。その結果、参加しなかった選手も点数に影響を与えることがありました。2007年のタイガー・ウッズはBMW選手権とツアー選手権を連続で勝ち総合優勝しました。一方、2008年にビジェイ・シンが連勝して優勝したのに対し、後のカミロ・ビジェガスが連続優勝を収めながらも総合優勝には届かなかったこともあります。

これらの結果を受け、2009年からはツアー選手権においてポイントのリセットを行い、ポイント1位を2500点としました。上位の選手たちは、そのポイントを元にしてツアー選手権で優勝と総合優勝を狙う仕組みになっています。この年、ミケルソンがツアー選手権を優勝した際、ポイントランキング6位であったため、2位のウッズが総合優勝を手にしました。

フォールシリーズ

以前、ツアー選手権後に行われていたフォールシリーズは、7試合で構成されていました。ツアー選手権に出場した選手たちは自動的に次シーズンの出場権を獲得するため、残りのシード枠をかけた競争が繰り広げられていました。しかし、2013年からウェブドットコムツアーにファイナルズが設立され、新年度のツアーが9月から始まることに伴いフォールシリーズは廃止されました。2024シーズンから、フェデックスカップフォールとして新たに始まります。

実施の背景

毎年11月には、アメリカのスポーツ界が盛り上がる中、アメフトやメジャーリーグのプレーオフが行われるため、ゴルフが注目を集めにくくなる状況が続いていました。このため、主流スポーツに対抗するかたちでゴルフ界を活性化する意見がありました。また、賞金王の早期決定がシーズンの興味を損なうことも懸念され、新しいシステムの導入が求められていました。こうした背景から、フェデックスがスポンサーに就任し、このポイント制が導入されたのです。このフェデックスカップは、日本ツアーにも影響を与え、ツアー選手権の出場選手30名はオフシーズンに突入する一方で、その時期に日本では高額賞金トーナメントが開催され、国外の選手が参加する可能性が高まります。

もう一度検索