フェリス女学院短期大学

フェリス女学院短期大学の歴史と教育について

フェリス女学院短期大学は、1950年に神奈川県横浜市中区に設立された私立の短期大学であり、1990年に閉校しました。設立当初から、家政科や英文科、さらに翌年には音楽科が設けられ、学生たちに多様な専門教育を提供していました。日本で初めて認可された149の短期大学の一つとして、フェリス女学院は教育界においても重要な役割を果たしてきました。

創設と初期の教育

フェリス女学院の起源は、19世紀末にアメリカ人女性宣教師メアリー・E・キダーが開校したものにさかのぼります。1870年に「フェリス・セミナリー」として設立され、その後は「フェリス和英女学校」、「横浜山手女学院」と名称が変わりましたが、教育の中心にはキリスト教思想が根付いていました。

1947年になると、専門学校として家政科、英文科、音楽科が設置され、その後、1949年には文部省に短期大学設置の認可申請を行います。そして1950年には正式に短期大学としてスタートしました。

当初、英文科の入学定員は40名、家政科は30名、音楽科は15名という形で、特に英文科は人気がありました。その後の数年間で、学生定員は徐々に増加していくことになります。

教育内容の変遷

設立当初は3つの学科を持っていましたが、1965年度より教育の焦点が音楽にシフトし、英文科は徐々に廃止されて1981年に学生募集が停止されました。家政科においても、定員を減少させるなど時代のニーズに応じた変革を行っていきました。最終的には、音楽科に特化した教育に重点が置かれるようになっていきます。

音楽科では器楽専攻と声楽専攻が設置され、特に音楽に対する関心が高い学生たちが多く集まりました。また、音楽科卒業生の中には音楽家として活躍する者も多く、芸術分野での専門知識を培う場としての役割を果たしていました。

教育理念と学風

フェリス女学院短期大学の教育は、メアリー・E・キダーの思想に基づき、キリスト教の価値観を取り入れた教育理念が特徴でした。このため、礼拝や宗教教育が重要視され、精神的な成長と専門知識の獲得が両立するように心がけられていました。

学校の閉校とその影響

1980年代末には、学生募集を繰り返し停止し、1990年には短期大学としての役割を完全に終えることになります。最後の入学生を受け入れた後、1990年12月に正式に廃止とされました。これにより、長い歴史を持つフェリス女学院短期大学は幕を下ろしたのです。

卒業生たちの進路

フェリス女学院短期大学からの卒業生たちは、音楽、特に演奏家や音楽教育の領域で多く輩出されています。また、系列校であるフェリス女学院大学への編入も行われており、教育の継続性が保たれていました。卒業生の中には、芸能リポーターや声優、歌手など多岐にわたって活躍している人々も多数存在しました。

結論

フェリス女学院短期大学は、短い歴史の中で多くの優れた人材を育成し、特に音楽教育においては根強い評価を受けていました。私立短期大学としての使命を全うし、その教育理念や成果は今でも記憶に新しいものとなっています。

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