フェリペ6世 (スペイン王)

フェリペ6世の生涯と王位継承

フェリペ6世（Felipe VI）は、1968年1月30日にスペイン・マドリードで生まれました。彼はフアン・カルロス1世とソフィア王妃の長男であり、全名は「フェリペ・フアン・パブロ・アルフォンソ・デ・トードス・ロス・サントス・デ・ボルボン・イ・グレシア」と言います。彼の姉妹にはエレナ王女とクリスティーナ王女がいます。

王位継承以前

フェリペはフランコ政権の終焉期に生まれ、1975年に父が国王として即位するまで、その位置付けは王位継承者でした。1969年には、父が王位継承者としての法律が成立し、1977年にはアストゥリアス公に叙されました。教育はカナダのレイクフィールド・カレッジ・スクールを卒業後、マドリード自治大学で法律を学び、さらにジョージタウン大学に留学しました。

フェリペはスポーツマンとしても知られ、1992年のバルセロナオリンピックにおいてヨット選手として参加し、開会式では旗手を務めました。彼の身長は2メートル近く、目立つ存在です。また、2004年に国営TVキャスターのレティシア・オルティスと結婚し、二人の間には長女レオノールと次女ソフィアが誕生しました。

王位即位の過程

国民からの人気が高まり、2013年には父フアン・カルロス1世に代わる王位の継承が模索されました。2014年、フアン・カルロス国王が退位を決定し、フェリペは6月19日に国王として即位しました。即位式では、王権の象徴が用意され、フェリペはスペイン政府に対して誓いを立てました。この際、日本からも天皇明仁から祝電が送られました。

なお、スペインでは王室存続についての国民投票が実施され、一部の国民は共和制を支持している一方で、フェリペの即位に対する支持も見られました。

日本訪問

2017年4月、フェリペ6世は王位即位後、初めて国賓として日本を訪問しました。訪日中、陸上自衛隊による儀仗実務を受けた後、天皇との会見を行いました。平成天皇に対し、スペインで発生した災害に対するお見舞いの言葉を伝えたことで、両国の親交が深まりました。

この国賓訪問では、宮中晩餐会や安倍首相との会談が行われ、静岡市の地震関連施設を訪れるなど、意義のある公式行事が多く組まれていました。

フェリペ6世の特筆すべき点

フェリペ6世の支配下でスペイン王室は、その存在意義を問う声もある一方、国民からの支持も集めています。彼は一般市民との接触を大切にし、忍び寄るようにコンサートやレストランを訪れることで知られています。加えて、父の影響を受けることなく、独自のスタイルを確立しています。

また、フェリペ6世は、王室の伝統と現代的なリーダーシップを両立させ、国民の信頼を得るよう努めています。彼の家族や公私にわたる活動は、24時間体制で監視される王室の中でも、多くの支持を得ている要因の一つです。彼のリーダーシップは、スペイン社会の画期的な進展に寄与する存在であると言えるでしょう。当時の王室にとって、フェリペ6世の即位は希望の象徴ともなったのです。

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